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COVERCHORD CULTURE

クリエイターにきく、
年末年始に見たい映画とドラマ。
2023 - 2024

年末恒例の人気カルチャー特集。各方面で活躍するクリエイターに、
オススメの映画・ドラマシリーズを聞いた。

忙しい毎日の息抜きにショート動画も良いけれど、せっかくの冬休みにはお家でゆったりじっくり映像作品を楽しみたい。

COVERCHORDでは毎年恒例の人気特集。各界で活躍するクリエイターに、年末年始に観たいオススメ映画・ドラマシリーズを聞いた。不朽の名作から、知る人ぞ知るドキュメンタリー、さらにはTV番組まで。

クリエイターたちの心の栄養となった映像作品を、あなたも楽しんでみてはいかがだろうか。

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UNDERCOVER
高橋盾
オススメの3本

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『パーフェクトデイズ』/ PERFECT DAYS
2023年 フランス
監督:ヴィム・ヴェンダース / Wim Wenders
現代に生きる私たちが忘れかけている慈しみに溢れた禅ムービー。
欲にまみれた自分の姿を恥ずかしく思いました。
数あるWim Wendersの作品の中で間違いなく最高傑作だと思います。

『アフターライフ』/ AFTER LIFE
2019年~ アメリカ、イギリス
監督:リッキー・ジャーヴェイス / Ricky Gervais
NETFLIXで配信されているヒューマンドラマ。
最愛の妻に先立たれ、生きる気力を失って自暴自棄になった地方新聞社の中年男性記者の失意の日々と、再生への道のりが描かれている内容に、ぐいぐい引き込まれてしまいます。主演、脚本、監督をつとめるイギリスのコメディアン、Ricky Gervaisのブラックユーモアも最高です。

『トラック野郎・望郷一番星』/ Torakku Yarô: Bôkyô Ichibanboshi
1976年 日本
監督:鈴木則文 / Noribumi Suzuki
私が小さい頃の正月映画といえばTVで放映されていた《猿の惑星》シリーズか、《トラック野郎》シリーズがお茶の間の定番でした。かたや劇場では寅さんの《男はつらいよ》でしたが、《トラック野郎》の桃さんは、私の中では、ずばり“アナーキーな寅さん”であり、“男の中の男”でした。シリーズ中特に好きなのがこの『望郷一番星』。
旅の途中で牧場を経営し、乗馬を愛する女性に一目惚れして乗馬の知識を詰め込む桃さんの姿ほどかわいいものはありません。
シリーズ全作品が全く同じストーリー展開ですが、寅さんより全てが潔く、起承転結もはっきりしています。
涙あり下品な笑いありの最高傑作です。


高橋盾(たかはし・じゅん)
UNDERCOVERデザイナー / 代表取締役。1969年、群馬県生まれ。1990年、文化服装学院在学中に〈UNDERCOVER〉をスタート。1994年に東京コレクション、2002年にはパリコレクションに初参加した。2001年および2013年には「毎日ファッション大賞」を受賞している。コレクション制作のほか、〈GU〉や〈THE NORTH FACE〉などとのコラボレーションも多数。
昨年12月には〈nonnative〉との初のコラボレーションによるカプセルコレクション“OZISM”が発表された。

Website_undercoverism.com
Instagram_@joniotakahashi
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ガラス作家
おおやぶみよ
オススメの3本

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『汚れた血』/ Mauvais Sang
1986年 フランス
監督:レオス・カラックス / Leos Carax
日本で公開されたのが学生時代で衝撃を受けた作品。近未来、世紀末のパリを舞台に男女3人の愛の物語が繰り広げられる。
デヴィッド・ボウイの「Modern Love」で疾走するドニ・ラヴァンのシーンや何といってもジュリエット・ビノシュの美しさに引き込まれる。
特に真っ赤なカーディガンを着た彼女の鮮烈さをクリスマスに赤ワインでも飲みながら浸っていただきたい。

『友達のうちはどこ?』/ Where Is the Friend's House?
1987年 イラン
監督:アッバス・キアロスタミ / Abbas Kiarostami
友達のノートを間違えて持ち帰り、ノートを返すため、少年が見知らぬ街で友人宅を捜し歩くストーリー。ただそれだけの話なのに理不尽な大人たちにイライラしたり、純真な少年の行動にハラハラしたりと気が付けば、のめり込んで見入ってしまう映画です。
映像はキアロスタミ監督が敬愛する小津作品にも似て、見終わった後にずっと余韻が残り続ける映画だと思います。

『ライフ・イズ・ビューティフル』/ La vita è bella / Life Is Beautiful
1997年 イタリア
監督:ロベルト・ベニーニ / Roberto Benigni
数々の賞を受賞した名作中の名作です。強制収容所に送られた親子の物語。
ユダヤ人の父親が息子を怖がらせないように、これはみんなで「ゲーム」をしているんだよと優しい噓をつく。
ホロコーストを題材にしながらも、愛する人の為に懸命に噓を突き通す父親の姿をコミカルに演出していることで、より一層悲しさが際立ってきます。
この映画は是非とも大切な人と一緒に見ていただきたい。


おおやぶみよ
ガラス作家。2003年沖縄にてアトリエを設立。 以来、国内外での個展や数々の店舗照明、CM用作品なども手掛けている。
読谷村にあるギャラリー「HIZUKI」の代表でもある。

Website_hizuki.org
Instagrm_@hizuki_okinawa
Instagrm_@miyooyabu
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NOWHAW
十河幸太郎 & チューソン
オススメの3本

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『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』 / Altered States
1980年 アメリカ
監督:ケン・ラッセル / Ken Russell
精神世界へのトリップ体験に憑りつかれた天才科学者エドワードが、最後は肉体が退行しゴリラみたいになるが愛によって救われる、という1980年のアメリカで公開されたヒューマンスペクタクル。
ところどころの、なんだか見ていけないものをみてしまったような気持ちになるトリップ表現と映像エフェクトは、年末年始を無事に迎えられた自分との対峙&ご褒美に打って付け。オープニングのアイソレーションタンクとタイトルシーンがもうカッコいい!

『カリキュラマシーン』 / Curriculamachine
1974-1978年 日本
おすすめの映画かドラマを聞かれているのにも関わらず次にご紹介するのはこちら。日本テレビ系で1974~1978年に放送されていた子ども向け教育番組「カリキュラマシーン」。今ではコンプライアンスに引っ掛かりまくりであろう、私たちが憧れる古き良き日本がそこにはたしかに記録&表現されていて、日本で子を持つ親としてこの番組を我が子に見せるか否は、これからの日本においての重要な選択になってくるんじゃないかしらと嘯いてみたり。とにかく大人も…もとい、大人が楽しめるこちらの映像はDVDを手に入れるしか現代社会では観る方法がありませんが、あえてこの時代&タイミングで強くお勧めします。(ダイジェストはYouTubeにもあり〼)

『ゲームレコードGP』/ Game Record GP
2007-2011年 日本
だから映画かドラマだって言っているにも関わらず、更に暴挙にでてご紹介するのがこちら。2007年から2011年に『MONDO TV』という麻雀、パチンコ・パチスロ、グラビアアイドルなどに特化したスカパーのテレビ局で放送されていたこちらの番組は、玉袋筋太郎と姫(代替わり制)がMCを務め、若手芸人たちが番組独自で用意したルールでレトロゲーム(主にファミコン)に挑む、まさにゲーム界のオリンピック。フジタやアキラボーイ、かれー王のオリジナリティ溢れる攻略スタイルには何度も「そう来たか!」と膝を叩かされたものです。こちらの番組は当時の若手たちがのちに窃盗などの罪に問われるなど、波乱のその後を迎えた事情により再放送は絶望的な状況ではありますが、DVDとして映像を目撃できる手段が私たち国民には残されておりますので、是非この年末年始にコタツの中で餅を食べながら観るのにおすすめ&打って付け!

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『SASUKE』
1997年- 日本
3つ映画かドラマを紹介してほしいという依頼にも関わらず、望まれてもいない4つ目を自分からも紹介させろと横から割り込んできたチューソン。そんなチューソンがCOVERCHORD読者の皆さんに強引におすすめするのは、TBSが誇る年末の国民的恒例行事『SASUKE(英題: Ninja Warrior)』。もう映画やドラマは紹介する気がないのかって? ノンノンノン! サスケにこそ真のドラマあり! と語気を強めるはチューソン氏。まず注目してほしいのは「サスケハイ」という現象。サスケに真剣に挑む者のみがその状態(高み)に到達できるその境地は、観ているものすらを取り込むほどの勢いと熱量! とくにsnow man 岩本照さんのそのうっとりとしたハイな状態にはここ数年毎年家族で魅了されまくり! 年末には母国語で『SASUKE』をリアルタイムで観れる喜びを是非皆さんにも噛み締めていただきたいものです。敬具。


十河幸太郎 & チューソン (とがわ・こうたろう&チューソン)
“New Odd Wonder Holiday And World”「新しく思いがけない驚きのある休日と世界」の頭文字を取って〈NOWHAW(ノウハウ)〉という名で2012年より活動開始。
ベビーデニムと呼ばれる岡山県産の極柔デニム生地を定番に天然素材にこだわったパジャマを製作。「アートを着て眠る」をテーマにした“Art of pajama”シリーズの最新回では横尾忠則とのパジャマを発表。
国内外の高級宿泊施設の客室のアメニティパジャマとして採用されるなど、デザインと使い心地を追及した日常を彩るパジャマブランド。

Website_nowhaw.com
Instagram_@nowhaw_pajama
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モデル
山村紘未
オススメの3本

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『魔女の宅急便』 / Kiki's Delivery Service
1989年 日本
監督:宮崎 駿 / Hayao Miyazaki
小さい頃、全ての台詞を覚えるほど何度も観ました。キキのように13歳になったら一人立ちをするんだという気持ちで、毎日ホウキで空を飛ぶ練習をしていました。
いつしか大人になって、キキの一人立ちの年齢より二倍の年齢で、私は見知らぬ地でモデルとしての修行を積むことになりました。
キキのように、大きな期待とワクワクだけを持って辿り着いた土地で、落ち込むこともたくさんあったけれど、キキが家族に宛てた手紙にあったように「私、この街が好きです」という全てを受け入れて前に進んでいく、そういう生き方を私はこの映画から学んでいたかも知れません。私にとっては全てが詰まっている映画です。

『ジュリー&ジュリア』 / Julie & Julia
2009年 アメリカ
監督:ノーラ・エフロン / Nora Ephron
女優のメリル・ストリープさんが好きで、演じられた中でもアメリカの家庭料理の風景を変えた料理研究家のジュリア・チャイルドさんが大好きです。
ジュリアさんも、パリの料理学校のシェフも「失敗しても気にしないで、楽しむこと。喜びが大事」と教えてくれます。
料理が得意ではない私もジュリアさんの伝説のレシピ本を持っています。
ロブスターなど見つけるのが難しい食材もありますが、この映画を観て温かい気持ちが残ったら、ジュリアさんのようにエプロンに真珠、その姿でお料理を作って欲しいです。

『ミセス・ハリス、パリへ行く』/ Mrs. Harris Goes to Paris
2022年 アメリカ
監督:アンソニー・ファビアン / Anthony Fabian
私もミセス・ハリスさんのようにムッシュ ディオール時代のクリスチャン・ディオールに魅了された1人です。
お仕事上、日々色んなお洋服に出会うのですが、私はこのお洋服が誰かの何かを動かすような、そんな出会いがあったら良いなと思っています。一つのお洋服が持つ力は凄いです。
そしてミセス・ハリスさんのように、着飾っても着飾らなくても、どんな姿であっても自分であること。その美しさにかなうものはないです。
この映画を観て、夢はいつまでも持って良いんだな、それが人生なんだなって思いました。


山村紘未(やまむら・ひろみ)
モデル。奈良県出身。大学卒業後、モデルとしてのキャリアをスタート。2009年に上京、2013年にイギリスの事務所で修行を積み、国内外のショーや雑誌に多数出演。帰国後は「昭和芸能舎」、「大人の麦茶」の舞台に出演するなど活躍の場を広げている。

Website_fridayfarm.net/hiromi-yamamura
Instagram_@hiromi_yamamura
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atelier ST, CAT
林聖子
オススメの3本

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『ガタカ』/ Gattaca
1997年 アメリカ
監督:アンドリュー・ニコル / Andrew Niccol
フランク・ロイド・ライトの建築など、モダンな建造物やインテリアが多く出てくるので、どのシーンを切り取っても素敵。
また、優生思想がいきすぎた近未来のディストピアを描くSFなのですが、美しく淡々とした物語展開と反するようにヒューマンドラマも含まれており、最後には胸が熱くなります。

『ノクターナル・アニマルズ』/ Nocturnal Animals
2016年 アメリカ
監督:トム・フォード/ Tom Ford
トム・フォード監督の映画は張り詰めた美意識が美しく、とても好きなのですが、私は『シングルマン』よりもこちら派です。
主人公である成功したアートギャラリーオーナーの住居やコンテンポラリーアートギャラリー、アウトフィットの整った美は、ミステリー映画である本作のシリアス感を高めながら、恍惚とした気持ちにさせてくれます。
最後に謎を残す終わり方も、考察が出来て好みです。

『ミッドサマー』/ Midsommar
2019年 アメリカ
監督:アリ・アスター/ Ari Aster
結構生々しくグロテスクなホラー映画なので、好き嫌いが別れてしまうかもしれませんが、ロマンティックな世界観とグロテスクなホラーとの掛け合わせがとても斬新で、初めて観た時の興奮が忘れられません。
伏線を意識させるような、ユニークでファッショナブルな映像の撮り方も好きです。カップルで観るのはおすすめ出来ないかも。女同士で観てほしいです。理由は映画を観ればわかるはず!


林聖子(はやし・せいこ)
〈atelier ST,CAT〉代表CEO。1986年生まれ。東京都出身、起業家、母。ファッションエディターを経て、ジュエリーブランド〈atelier ST, CAT〉代表。
「自分らしく、自由な」オーダー結婚指輪、婚約指輪を扱う。
2023年10月、MILESTONEが内装を手掛けたショップが、代々木上原「CABO」にリニューアルオープン。

Website_st-cat.com
Instagram_@payacat
Instagram_@atelierstcat
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