"BLUEBIRD BOULEVARD" KIKO Interview

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"BLUEBIRD BOULEVARD" KIKO Interview

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『BAPY』のデザイナーを務めたKIKOさんが、充電期間を経てスタートさせたのは、"女性のための優しい服づくり"。母となった彼女が手掛けるブランド『BLUEBIRD BOULEVARD』は、様々なシーンで、様々な顔を持つ大人の女性のための心地よい日常着を提案している。そんなデザイナーのKIKOさんに、ファッションと自身の変化、そしてこれからの『BLUEBIRD BOULEVARD』について話を聞いた。

"裏原系"と呼ばれる新しいファッションのジャンルが生まれ、人気ブランドの商品の入荷日には、必ず店の前に行列ができる。そんな光景が当たり前だった裏原宿ブーム全盛期の2001年。同年から7年間『BAPY』のデザイナーを勤め、結婚・出産を経て、子育ても落ちつきはじめた、2014年『BLUEBIRD BOULEVARD』をスタートしたデザイナーのKIKOさん。彼女がファッションの世界へ入るきっかけとは。

厳格な父親からは、有名大学に進み一流企業に入って立派な社会人になってほしいという、いわゆる優等生的な進路を望まれていたと思います。文化服装学院を選んだのは、そんな親への反抗心もありました。入学しアパレルデザイン科に進学すると、現在も最前線で日本のファッションシーンをリードする先輩デザイナーたちが在籍。勉強と遊びの延長線上みたいな流れで、卒業後、仕事らしい仕事という感じではなかったけれど、そんな先輩たちとともに裏原宿のファッションカルチャーに私も加わるように。そこから自然な流れと勢いでレディースブランドの『BAPY』がスタートしました。

とにかく服が売れる時代だった2000年前後。常に店の商品は品薄、追っかけ追っかけで、商品を作っては出すの繰り返し。ほとんど休みもなく、シーズンの合間に落ち着く瞬間すらない。そんな時代を経験したKIKOさんが、今デザイナーとして最も重要視していることとは。

正直、自分の直営店で売っていた昔より、バイヤーさんが買い付けてくれる今の方が売るということに関してずいぶん真剣に考えているかも。商品をセレクトするバイヤーさんからの考えや声をかなり意識しています。ものづくりの上で最も大切にしていることは、"服を纏ったとき、その人の動作が美しく見えるように。また動作が美しく変わって、結果その人の日常が美しいものになるように。とは言え気取らずに楽に過ごせる"。みたいな。 女性って何を着るかによって大きく気分を変えたり、生活を変えたりすることができると思います。着心地のよくないものやケアが大変なものは、日常で着続けることは難しい。こういったいろいろなポイントをクリアできる、"ちょうど良いところ"を常に模索しています。誰かのために無理に気取って着飾って、、、よりも単純に自分のために日常でファッションを楽しんで、気持ちのいい生活、人生を送れたらなと。ファッションって絶対的に楽しいものだから。

KIKOさんから生み出されるデザインは、自分の日常を投影することもあれば、まわり方の影響を受けることも多いという。現在も一線で活躍し、日本のファッション業界を席巻する先輩デザイナーたちを近くで見てきた彼女が、今真似したいと憧れを抱く女性像について伺った。

それは、ファッション業界の人とは限らないかもしれません。今、なんかいいな、真似したいな、と思うのは自宅周辺で昔から暮らしているおばあちゃんたち。腰は曲がり手押し車を押しながら、ゆっくりと少しずつ歩くおばあちゃんでも、外に出てお出かけをするときは、古いミンクのコートを羽織ったり、ビーズ刺繍の可愛らしい帽子を被り、自分なりのオシャレを楽しんでいる。そう在ることや、自分が好きなおしゃれをして出かけるということが当たり前で在ることいいなと感じます。

"真似"や"お手本"って、女性と男性で感覚が少し違うのかもしれない。男性は、憧れの対象に自分を近づけることに熱中したり、モノへの知識をいかに持っているかということを美学とする気質がどこかあるように思う。女性は、いたってシンプル。そもそもじぶんが好きな世界が明確にあって、真似やお手本はあくまでその範疇での話なのかもしれない。本能的?感覚的?に"なんか好き"と思うモノ、"なんなんか可愛い"、"なんか気持ちよさそう"とまず手が伸びるモノ。どっちがいいと思う?と必ず聞いてくれるけど、じぶんの中ではすでに決まってるでしょ、っていう。

もしこれからチャレンジするとしたら男性が身につけるモノも作ってみたい。カシミアの大判ストールは、男性で身につけてくれている方も多いですしね。背中が開いたディテールのボーダートップスやサーマルのカットソーは、男性目線でみてもかっこいいとか面白いと言ってもらえることは嬉しいですし、「メンズ作ってよ」、という声があると時々本気で考えたりする事もあるけれど、作ったら作ったであんなに言ってたあの人たちはホントに着てくれるのだろうか?って感じですけど(笑)

みんなの何気ない毎日の「青い鳥」になるようにという思いを込めて名付けられた『BLUEBIRD BOULEVARD』というブランド名。めくるめく人生の真っ只中を生きる女性たちの、ドラマいっぱいの毎日に、いつも寄り添っていたいと願うKIKOさん。彼女の手から放たれる青い鳥たちは、これからもたくさんの女性たちに、多くの幸せを運んでくれるのだろう。


photographer _ Tesun Hiramoto
text _ Mai Okuhara KIKO(キコ)
文化服装学院アパレルデザイン科卒業。2001年に『BAPY』をスタート。以降2007年までデザイナーを務める。2014年春夏より『BLUEBIRD BOULEVARD(ブルーバード ブルバード)』を立ち上げる。