COVERCHORD CULTURE
Tornado Wallace
INTERVIEW
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Tornado Wallace
INTERVIEW

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Tornado Wallaceとして活動するLewie Dayは、オーストラリアのアンダーグラウンドシーンの過去10年を代表するアーティストの一人だ。〈ESP Institute〉、〈Beats in Space〉、〈Second Circle〉などの名だたるレーベルからリリースしてきた彼は、2017年にGerd Jansenのレーベル〈Running Back〉からフルLP 『Lonely Planet』を発表し、一躍大注目アーティストとなった。
地元メルボルンではDJ兼プロモーターとして活躍し、The Mercat Basementで開催される「C Grade」や「Animals Dancing」など有名なパーティーを通して新しいアンダーグラウンドムーブメントを築き上げた。
今回4度目の来日を果たしたTornado Wallace。東京、大阪、そして札幌でのイベントを前に話を聞いた。


若い頃からプロダクションをしているらしいですね。どのようにスタートしたのですか。

15歳ぐらいの時からラップトップを使って、家でダンスミュージックを作ってたよ。ATBの9PM、Alice DJやSandstormとか、かなり趣味の悪いユーロトランスを聴くのが好きだったんだ。ある日、店でコンピューターミュージックっていう雑誌を見かけて、「コンピューターもミュージックもどっちも好きだな」と思って買ったらFruityloopsのデモが付いてきて、それで始めたんだ。僕にとって、音を作るのは結構簡単だった。ピアノやサックス、ドラムの楽器をいくつか習ってて、そこからきた知識をFruityloopsに活かした。

そこからたったの数年で、初レコードをリリース。

最初のリリースはLewie Day名義で、二十歳の時だった。『Striptease』っていうプログレッシブハウスのトラックで、Dave Seamanのレーベル、〈Audio Therapy〉からリリースしたんだ。今まで一番よく売れたトラックでもあるんじゃないかな。コンピレーションに入っていて、2000 UKポンド稼いだ。それ以来一つのトラックであれだけのお金は稼いだことないよ。当時はPaul Van DykeやTiestoとかのビッグネームが僕のトラックを流していたから、かなり感動した。そう考えると、そこから僕のキャリアは急降下しているよね(笑)

「Animals Dancing」のパーティーはどういう成り行きで始まりましたか。


僕が22か23歳の頃にまず「C Grade」っていうパーティーを始めたんだ。Third Class、そしてその前はHonky Tonksを運営していたMichael Delanyが、俺の友達のDaraghとMylesと一緒にThe Mercat Basementっていうベニューを手に入れて。友達のために、オープンしたての頃からウォームアップのDJをしていたんだ。始めの二年ぐらいはタダでプレイしていたけど、あの環境でDJするのが楽しかったから気にならなかった。Otologic(Nick MurrayとTom Mooreのユニット)としばらく一緒に友達のためにプレイしていたら、いつの間にか大箱の値段の高いイベントに飽きた人たちが集まるようになった。そこから段々と広がって、人気のクラブになったよ。そのうちメルボルンでまだプレイしたことのない国外のアーティストを呼びたいと思って、「Animals Dancing」を始めたんだ。スタートした頃から8、9年ぐらい経つかな。

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'C' GRADE party flyers
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ANIMALS DANCING flyers


この5年間で、〈ESP Institute〉、〈Beats in Space〉や〈Music from Memory〉のサブレーベル〈Second Circle〉からEPをリリースしたり、〈International Feel〉からリリースされたJose Padillaのアルバムに参加したり、Gerd Jansen のレーベルからデビューLP『Lonely Planet 』をリリースしたりと、プロデューサーとしてもたくさん活躍してきました。「Animals Dancing」のメンバーTom Mooreと一緒にCoober Pedy University Bandとしてプロデュースしていますね。どれぐらいの頻度で一緒に音楽を作っていますか。

たまに。二人で音楽を作るって決める前に、ユニットの名前を思いついたんだ。すごくバカな名前をTomと僕が気に入って、Chet Fakerとして活動してる友達のNick Murphyにバンド組まないかって誘ったんだ。ちょうどその頃Nickがすごく人気になって、自分のプロダクションで忙しくなってしまった。僕たちは、ダビーでフワフワしたポップミュージックを作りたかったんだ。スタイルに名前をつけるとしたら、Krautbackって呼びたい。シューゲイズっぽい、クラウトロックなアティチュードにオールトラリア感を足した感じだから。

セカンドEPでは、ディジュリドゥやワライカワセミのサンプルなど、かなり「オーストラリア感」が出ていました。それにも関わらず、世界中のダンスフロアでヒットしましたね。オーストラリア以外の国でも人気が出たのは意外でしたか。

たしかに意外だったけど、トラックが出来上がった成り行きの方が驚きだよ。ファーストEPが出たあとTomと一緒に制作をしていて、ほぼ完成だったんだけどなかなかいい感じに仕上がらなかったトラックがあった。ただ捨てるんじゃなくて、DJツール版を作ろうっていうことになって、色々実験したんだ。そしたら2時間ぐらいでトラックが仕上がった。前にサンプルした古いアフリカのレコードからドラムをとって、アムステルダムで買ったオーストラリアのレコードからディジュリドゥや歌のサンプルをとっていたら、鳥の鳴き声を重ねようと思ったんだ。YouTubeで見つけたワライカワセミの鳴き声をAbletonに落とし込んで、音楽に合わせてクオンタイズさせた。それで完成。Abletonに入れて、再生しただけでほとんど何もしなかったんだ。少しカットはしたけど、完全に運だったね。本当にバカなトラックだけど、フロアでどれだけ盛り上がるか、オーストラリアのお客さんにどれだけウケるかを考えながら二人ですごく笑ったよ。オーストラリアの外でウケるとは想像もしなかったし、本当はメルボルンぐらいでしかウケないと思ってたけど、海外でも人気が出たのは嬉しかったね。



数年前にベルリンに引っ越しましたね。きっかけは何だったのですか。

単純に生活に変化が欲しかったからかな。毎日がパターン化していたんだ。メルボルンは世界でも有数のシーンだと思うし、ヨーロッパにもっと近かったら多分今も住んでいると思う。ベルリンは週末に違う街でプレイできるから便利。オーストラリアに住んでいたころは、年に4回ぐらいシドニーでプレイして、パース、アドレード、ブリスベーンでは年に1回ずつ、そしてニュージーランドでは1回ぐらいプレイしていたかな。それ以外はひたすらメルボルン。自分でイベントをオーガナイズしていたから、同じ環境でも楽しくDJを続けられた。オーガナイズは自然と始まったね。

音楽制作をしているスタジオについて教えてください。またどういう機材を使っていますか。

最近新しいミキシングデスクを買って、テープディレイ、フェージング、オーバードライブとかのエフェクトを使って面白い音を作ったり、楽器として楽しんでるよ。想像もしなかった音が作れるし、音作りに対して違うアプローチがとれるんだ。それ以外だと、Oberheim Matrix1000は常にインスピレーションをくれるし、Kurzweil KR2000はトラックを上手くまとめてくれる。今は新しい機材を買うか、オーストラリアにある機材をベルリンに持っていきたい。ARP OdysseyとProphet 5が恋しいな。あと最近友達のProphet VSを使って、僕も欲しいと思ったよ。面白い機材は常にたくさんあるけど、全部使い切る時間なんてない。つまらないかもしれないけど、もう持っている機材をフルに活用したほうがいいと思うんだ。

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Studio


どこでDJするのが一番楽しいですか。

やっぱりThe Mercat Basementかな。「C Grade」と「Animals Dancing」のパーティーを開催したベニューだし、ほかにもたくさん楽しいイベントがあった場所だから。いいサウンドシステムがある暗い洞窟みたいなところだった。今日存在するメルボルンのシーンを築き上げたクラブだよ。そこまで知られていないアーティストもブッキングしたからいつも経済的に上手くは行かなかったけど、あれだけシーンをサポートし続けた場所は他にないと思う。色んなリスクを負ったから、シーンがここまで育った。だからDJするのに一番いい場所だよ。

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The Mercat Basement - Melbourne


これから日本ツアーです。日本でレコードを買うときは、どこをチェックしますか。

Lighthouse、ディスクユニオン、HMVはハウスのレコードを探しに行くよ。日本のレコードはDubby (ONDAS) からゲットするかな。

一番好きなアルバムを教えてください。

Tangerine Dreamの『Love on a Real Train』。すごくインスピレーションを受けたよ。

レコードバッグに必ず入れる一枚はありますか。

初めて買った時から今までずっとかけ続けてるレコードはMark Eの『Nobody Else (Bonus Beats)』。一つのスタイルから違うスタイルに、エネルギーを保ちながら切り替えたい時にちょうどいいトラックなんだ。フロアをウォームアップしたい時にもいい。「行こう、パーティーを始めよう」っていうメッセージが伝わる。



絶対に盛り上がる一枚を教えてください。

Gwen Guthrie 『Padlock (Larry Levan Mix)』

今回のコラボレーションCD『We're Where We Were』のコンセプトはなんですか。

夏の夜の嵐の中をさまよっているような、ムーディーなトラック。僕の犬が隣で寝ているところを、ワンセッションで録音したんだ。

現在取り掛かっているプロジェクトはありますか。

新しいアルバムを早くリリースしたいと思っている。LPっていうフォーマットの方が今の僕にはしっくりくるし、『Lonely Planet』の評価が高かったのが驚きで、嬉しかった。あとは、LPに含めるのにふさわしい、面白いアイディアが溜まるまで実験し続けるだけ。今年はツアーで忙しかったから、この冬はベルリンのスタジオにこもるのがすごく楽しみだよ。近々リリースされるトラックもあるんだけどね。一緒にスタジオをシェアしているLuca Lozanoとのコラボレーション、Kalahari Oyter Cultのリミックス、そしてベルリンのレーベル兼パーティーのために作ったエディットのEP。

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WE'RE WHERE WE WERE L/S TEE + CD
Price_¥9,000
Color_BLACK, WHITE

WE'RE WHERE WE WERE S/S TEE + CD
Price_¥8,000
Color_BLACK, WHITE

Photograph_Provided
Interview & Text_ Sam Fitzgerald
Translation_Alisa Yamasaki