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カバーコードの逸品

長く愛せる一生ものの「逸品」をご紹介。

FUTAGAMI
鋳肌キッチンペーパーホルダー

経年変化のはなし。

服好きはとかく”経年変化”が好きです。ジーンズの色落ちやら繰り返し洗って着込まれたコットンの風合い、よく手入れされた革製品なんかもそう。いかにも買い揃えましたっていうまっさらな新品よりも、使い続けてきた歴史が滲む経年変化の美しさに触れた時、物にも使う人間にも説得力が生まれます。

こと金属製品に関しては経年変化に乏しいマテリアルと思われがちですが、とても美しい変化を生み出すのが”真鍮”です。そんな真鍮製品を1897年(明治30年)から作り続けてきたエキスパートである〈FUTAGAMI〉と、その中でもこのキッチンペーパーホルダーはバイヤー肝入りのアイテムです。

キッチンの中で目立つ割になかなか陽の目を浴びにくい存在な気がする、キッチンペーパーホルダーという存在。デザイン、使い勝手はもちろん、プロダクトとしての隙のなさ。ここまで徹底して作られたキッチンペーパーホルダーは世の中に多くはないように思います。

銅と亜鉛の合金である真鍮は黄銅とも呼ばれます。表面が酸化することによってより色濃くなり、新品の光を反射するような輝きは落ち着きと共にどんどん深みを増していきます。

“鋳肌仕上げ”と呼ばれる砂型の細かな凹凸をそのまま生かした質感にアクセントを与えるのが、天然木を用いたストッパー部。それぞれの素材が、日々の生活と共に豊かな変化をみせてくれます。

綺麗にラウンドした頂部は手で握るととても収まりが良く、食事の時にはキッチンからテーブルに移動させるのが習慣になっています。ダイニングにそのまま置いても実に様になるんです。

洋服の経年変化は長いこと意識してきましたが、そろそろ暮らしの中にも経年変化を楽しみたいと思っていたところ。手始めにこのペーパーホルダーを我が家に迎えようと思います。

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