TEATORA
"品格"を纏う機能服
Daisuke Kamide Interview
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COVERCHORD FEATURE

TEATORA
"品格"を纏う機能服
Daisuke Kamide Interview

モノで溢れる昨今、高度な機能を搭載し、限られた環境下における耐性や突出した数値を誇る衣服は多数存在する。

そんな中、激動のファッションサイクルに囚われず、シーンに縛られない、"これさえあれば他は何もいらない" と思えるオールインワンプロダクトをただ黙々と、一着入魂とも言えよう気骨で開発に傾倒するブランドがある。

2013年の発足以来「クリエイターのパフォーマンスを向上する機能服」をコンセプトに、現代におけるデスクワーカーに向けたワークウェアを世に送り出してきた〈TEATORA〉。

長時間のフライトや座り仕事のストレスを軽減する設計。
室内と室外、都市生活における環境変化に順応する素材開発。
あらゆるTPOに対応しうるデザイン性。
開発されるプロダクトの機能全てに圧倒的な"品格"を内包する。
全ての商品開発の発端には、デザイナー 上出大輔氏のいち仕事人としての原体験が色濃く反映されているという。

どんなブランドにもそれぞれ物語があり、哲学があり、作り手の想いがある。
これまでの〈TEATORA〉がどんな軌跡を経てきたのか。
これからの〈TEATORA〉がどこへ向かうのか。
多くのクリエイターの圧倒的な信頼を勝ち得た〈TEATORA〉の歩みを知るべく
上出大輔氏に幾つかの質問を投げかけてみた。
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HermanMiller_Aeron Chairs


「クリエイターのパフォーマンスを向上する機能服」というコンセプトのもと洋服を創るに至ったご自身の「実体験」を教えてください。

機能服の本質とは、想定されるシチュエーションにおいての問題を軽減、もしくは削除し、着用者のパフォーマンスを向上することにあります。

ただ、世の中の機能服とよばれるものは主に、専門的技術職のためのワークウェア、組織のための制服、
アウトドアやスポーツなどのアクティビティーを想定したものがほとんどで、僕のようにデスクに座る時間が睡眠時間を凌ぎ、目上の方々と打ち合わせすることも多く、出張も長時間フライトも多い。
そんな仕事や生活における機能服は存在しませんでした。

身の回りの仲間たちも同じような環境にあり、どうせ人生を懸けるのであれば、身の回りの仲間たちの役にたつプロダクトを開発したいと考え、テアトラを構想しました。



BARRIERRIZER


CC_FEATURE_TEATRA_X_02.jpg 都市生活向けに開発したレイン対応シリーズ「BARRIERIZER」にはどのような実体験が伴い、アイテムとしてどのような強みがあるのかを教えてください。

バリアライザーのコンセプトは"晴天のレインウェア"、裏テーマは"レインウェアを無くす"です。

アウトドアシーンを想定したレインウェアの多くは、長時間雨に晒されることを想定して作られているので防水性は優れているものの、通気性においては、無くはない、といったものがほとんどです。
ただ、命の危険を伴う環境設定ですので、それぞれの及ぼすリスクを天秤に掛ければ通気性よりも防水性に偏るのは当然です。

しかし、僕の生活の中では長時間雨に晒されることはなく、小雨なら、レインウェアを着ていなくても傘をさしません。大雨なら傘をさしますし、もっと言えばなるべく出かけません。笑
そんな僕からすると、雨の日のためだけのレインコートなど必要ないのです。

テアトラが目指したのは天気を気にする必要のないウェアです。

一般的なレインウェアが強い防水性とわずかな通気性をベースにした"雨の日専用のレインウェア"であるのに対して、バリアライザーは圧倒的通気性とそこそこの撥水性をベースにした"天気予報不要のデイリーウェア"というコンセプトのもと開発されました。

晴れてるから、雨だから、でウェアを選ぶのではなく、いつも通りに袖を通すいつも通りのウェアが
たまたまついでに雨もはじく、という考え方です。
朝、天気予報を見る必要もその日ごとの天気でコートを使い分ける必要もありません。

これを可能にしたのは"圧倒的な通気性"と、"レインウェアを連想できない滑らかな肌触り"です。
従来のレインウェアからは全く想像もつかないような圧倒的通気性と滑らかさによって、雨をついでにはじくウェアであるいうことなど着ている本人すら気づかないでしょう。

バリアライザーはアウトドアシーンを想定したウェアではないので、長時間雨晒しになるようなシチュエーションでは雨の日にこそ本領を発揮するアウトドアウェアを着用することをお勧めします。

しかし、都市におけるシチュエーションで、僕のように、その日ごとのウェア選びすら億劫な方にはバリアライザーをお勧めします。
天気など気にせずにいつも通りのウェアに袖を通していれば、たまたまついでに雨をはじいてくれるのですから。

この考え方が当たり前になったとき、レインウェアという考え方そのものが過去のものになるでしょう。


PACKABLE
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〈TEATORA〉のブランド名の由来を教えてください。

まず、これほど長時間座り続けることになった現代人の人体をワークチェアと融合した人体であると捉えました。
臀部からワークチェアが生えたようなイメージです。

その現代の人体には4つのベクトルが存在しており1つ目が天井に向かう頭と胴、2つ目と3つ目は床に向かう右足と左足。
4つ目は、臀部から床に向かうワークチェアの支柱です。

4を表すTETRA(テトラ)と、人体とワークチェアの間に長時間挟まれることとなったTROUSERS(トラウザーズ)。
これらをアナグラムによって掛け合わせ「TEÄTORA」と定めました。
Aの上のウムラウトは ''ティートラ" はなく、"テアトラ" と読ませるためのものです。



EVAPOD
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ブランドとして最も大切にしている信念とはなんでしょうか?

"これさえあれば他は何もいらない"オールインワンプロダクトを開発するという信念です。

世の中には、こういう天気だから、こういうシチュエーションだから、仕事だから、休日だから、と使い分ける必要があるものがあまりにも多い。
しかし、僕は、これらの問題は圧倒的なプロダクトをもってすれば、それらのボーダーを消し去ることが可能であると考えており、テアトラで開発すべき核である考えています。


SOLO MODULE
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商品開発においてどのような壁があり、どのような瞬間に喜びを感じますか?

テアトラでは主観的機能と客観的機能という2つの機能を使い分けています。
主観的機能とは着用者自身が感じる機能で、例えるなら収納力だとか、動きやすさだとかそういったことです。客観的機能とは非着用者にどう感じさせるかという機能で、品格のようなものを指します。

テアトラで最も重要視している機能はこの"品格"です。
走るタイムがどのくらいあがったとか、耐水圧がどうだとかといった物理的な機能とは全く異なり、これは計測することも数値化できるものでもなく、答えも無数にあり、無数故に言語化することも不可能です。

しかしこれこそが、先述した"これさえあれば他は何もいらない"オールインワンプロダクトにおいて、最も重要な機能であると考えています。

これらを搭載するには、数値化できないものにいかに触れ、体験し、熟考するなかで独自の方程式を見出す他ありません。
それ故に最も困難な壁であり、最も重要であるとテアトラでは考えています。

主観的機能の方が伝わりやすい。
だからこそ、テアトラが最も重要視している機能である"品格"を、機能として理解して着用してくださる方々のお話しを伺うのはとても感慨深いものがあります。


DUAL POINT
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物作りにおいて最も影響を受けた人物は誰ですか?

僕の中でプロダクトの開発においてスティーブジョブズとジョナサンアイブの二人組みを超える人はおそらく永久にいません。

当時のAppleのプロダクトは、今思い返しても、どれをとっても恐怖を感じるほどに研ぎ澄まされていて、
その品格を、その完成度を、その革新性を未だに何度も何度も思い出します。
その恐るべき完成度は開封のシールひとつにすら及び、僕のように同じものづくりをする身からすれば
もはやオーパーツといっても過言ではありません。笑

物づくりにおいてここまで徹底的に研ぎ澄まされたプロダクトが生み出されたことは人類史上なく、プロダクトによって文明を作ったとすら考えます。
あのプロダクトによる革命を、同じ時代に体験できたことはとても貴重な体験でプロダクトの開発においてこれ以上の衝撃は受けたことがありません。


KEYBOARD
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〈TEATORA〉発足当初から今まで。ご自身の中で変わらないもの、変わったものを教えてください。

変わらないことは、"これさえあればあとは何も必要ない"と思える、オールインワンプロダクトを開発したいという強い思いです。
変わったことは、視点が増えたことと、設立当初では考えられないほどの開発環境が整ってきたことです。

もうひとつ、お店を構えてみて存在を知ったのが初めていらっしゃるお客さんの多くが、すでにテアトラをお持ちのテアトラユーザーから商品の解説を受け、ご興味をもった上でうちのお店にいらっしゃっているということ。
僕たちはそういったテアトラユーザーの方々のことを愛着をこめてテアトラジーニアスと呼んでます。

テアトラはもともと、どうせ人生を懸けるのであれば仲間たちの役に立つプロダクトを開発したいという思いから始まったブランドですが、そういった方々の存在は、仲間たちが増えたようでとても励みになります。

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〈TEATORA〉のこれから進む道、そして今現在開発に興味のあるアイテム・分野を教えてください。


今までテアトラでは未開拓分野だったニットウェアの開発が完了しています。これらは近いうちにお見せできると思います*。

今開発しているのは、最強のネイビーと、最強のグレーです。笑

そういった、ほんの小さなことにも思えることを、徹底的に開発し、積み上げていくことだけが"これさえあれば何も必要ない"と思えるオールインワンプロダクトへの唯一の道だと考えています。

(*注)取材後、すでに発売中。
CARTRIDGE KNIT TURTLE DELTAPEAK_¥32,000

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上出大輔 / TEATORAデザイナー
2013年に〈TEATORA〉を立ち上げる。現代クリエイターのパフォーマンスを向上させることを目的に、様々なTPOに対して研究&開発された機能服をデザインする。




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DATA DOME - BARRIERIZER_¥98,000
CARTRIDGE SWEATER - SOLOMODULE_¥22,000
WALLET PANTS OFFICE - PACKABLE_34,000
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KEYBOARD SHIRT_¥34,000
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SOUVENIR HUNTER S/L - EVAPOD_¥100,000
CARTRIDGE SWEATER - SOLOMODULE_¥22,000
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SOUVENIR HUNTER S/L - EVAPOD_¥100,000




Model_Junya Nakashima