今週の逸品

セレクトしたアイテムの中から長く愛せる「逸品」をご紹介。

SONOBEのめいぼく箸

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〈SONOBE〉の木の器を手にしたときに感じるのは、

“主役はあくまでも木です”

といわんばかりの、素材の魅力を最大限に引き出したミニマルな佇まいです。

木材ごとの特性を知り尽くし、「食器」として使用することを想定して適した品種をチョイスする、まさに”木のエキスパート”。
それは一つの製品に対して「木の種類の選択肢」をユーザーに提供してくれる拘りからも伺うことができます。そんな〈SONOBE〉の「めいぼく箸」は、日本の豊かな風土で育った「桜 (さくら)」「楢 (なら)」「楓 (かえで)」の三種の木材から選ぶことができます。

日本人が大好きな「桜 (さくら)」は、赤みのある濃色の色味が特徴。三種中でも最も豊かな発色に加えて、スッと一筆で書かれたような気品漂う木目が味わえます。

カナディアン、ノースアメリカンへの情景を抱かせる「楓 (かえで)」は学名: Acer mono Maple (イタヤカエデ)といい、日本では北海道に自生します。きめ細かく美しい木肌と白~赤みがかった淡い色味は、厳しい寒さを生き抜く北国の人肌のよう。

「楢 (なら)」は西洋家具やウイスキー樽に多用されるされるオーク(Oak)の仲間とあって、何処かモダンファニチャー然としたスタイリッシュさと、点が繋がるように走る力強い木目を持ちます。

また、これら木材ごとの魅力を損なうことなく、使い勝手の良いマットクリアのウレタン塗装で仕上げられています。色の濃い料理でも気にせず使えるし、疲れた日は翌朝まとめて洗ったって大丈夫です。木の器だからと料理や食材によって気を使う必要はありません。

〈SONOBE〉の木の器を使っていると、拠点を構える神奈川県・小田原の豊かな自然が目に浮かびます。
次の休日は箱根の名山・金時山に登って、山頂から小田原の自然を堪能してこようと思います。

2021-09-21

AURALEEのジーンズ

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ウィメンズウェアと「ジーンズ」の関係性について。

比較して原形を留めているメンズウェアに対してウィメンズウェアの変化はとても激しくて、求められる要素も多岐に渡ります。それはタイムレスなイメージを抱くジーンズに関しても例外ではありません。ルーツである「作業着」をグッと洗練させたかと思えば、一転してタイムスリップしたかの様に往年の雰囲気を引用したり...タイムレスどころか寧ろ、

”時流の要求する空気に呼応して、最も敏感に変化するウィメンズウェア”

のように思います。じゃ、いま選ぶならどんな「ジーンズ」なんだろう?
脚線美をトレースするスキニーシルエットや、メンズパターンそのままに無骨なストレートシルエットも通過して、いま穿きたくさせるジーンズの最適解とは。

〈AURALEE〉のウィメンズラインに、この数シーズンシルエットを大きく変えず存在するジーンズがあります。

股上を深く取ったハイウエストにフィットする腰回り、膝から裾に向けて美しく直線を描いたストレートシルエット。レトロなムードもあるけど、極端な時代性とは異なる普遍性を感じさせてくれます。
相反するであろう二つの要素がとても高いレベルで共存している感じ。

また〈AURALEE〉の伝統技とも云える、生地へ対する作り込みも尋常ではありません。ドライタッチのアメリカンコットンを限界までテンションを掛けて撚った強撚糸を使用し織り上げた、オリジナルデニムを開発。
穿き続けてもノンウォッシュデニムの持つざらっとした質感やハリを維持し続ける、唯一無二の生地です。

かつて、マリリンモンローが愛用したLEVI’S初のウィメンズフィットジーンズが存在しました。この〈AURALEE〉のジーンズもまた、時代を超えて支持される不変の魅力があります。

2021-09-14

GRAPHPAPERのブロードシャツ

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「いいシャツ」の条件、難しいですね。
どれかひとつ「これです」とはなかなかいきません。
シャツという洋服の幅が広すぎて、各々のライフスタイルや嗜好によって条件が多岐に渡り過ぎますので。

それでも「いいシャツ」のひとつの回答としてお勧めしたいのが、「普段着にできるブロードクロスのシャツ」。ブロード特有の上品さがカジュアルになり過ぎなくて、特定のシチュエーションや気分に影響されないプレーンさがあります。
〈Graphpaper〉のブロードクロスを用いたこのシャツは、ぼんやりとイメージする理想を絶妙に具現化してくれています。

顔にシワが増えて肌の艶も20代と変わってくると、ちょっと光沢のある素材って似合うんですよね。このシャツの素材には超長綿種が使用されていて、より一層豊かなコットンの光沢感は洗いざらしで着てこそ引き立ちます。
若さに対しては「誠実さ」を、齢を重ねた頃には「気品」を。ブロードはそんな印象を与えてくれます。

さらにこのシャツの面白いポイントは、シャツなのにOSFA = ONE SIZE FITS ALLだということ。アジャスター付きの6パネルキャップならまだしも、ドレスパターンのシャツでOSFAとはずいぶん大胆です。「いいシャツ=体型にフィットしている」のステレオタイプを痛快に裏切るような、「あれこれ気にせずこれ着とけば大丈夫」的おおらかさ。
肩をグッと落としアームも身幅もたっぷりとゆとりを持たせ、誰が着ても絶妙なオーバーサイズシルエットを提供してくれるのは、〈Graphpaper〉の持つ美学と培った経験でこそなし得るものです。

「今日はシャツ着たいな」ってとき、買う時 (サイズ選び) から着る時 (シチェーション) まで迷わないで着れるシャツ。
唯一悩ましいのは、ブロードには珍しいマスタードブラウンやチャコールグレーのカラーパレットと、レギュラーカラーとバンドカラーが選べるということです。

2021-09-07

THERMAREST
のエアーマットレス

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アウトドアに興味のある人なら、誇張無しでみんな知ってると思う〈THERMAREST〉のマットレス。

1972年に世界初の自動膨張式エアーマットレスを生み出し、アウトドア用マットレスの世界では文字通り”標準”に。海外の名だたるロングトレイルを走破したハイカーたちの背中にも、拘りのギアを使いこなすキャンパーたちのギアリストにも必ずあって、本当にずっと愛され続けている、マットレス界ではキング的ブランドです。
そんな〈THERMAREST〉マットレスのラインナップで、

“いちばん寝心地が良いマットレスが欲しいんですけど”

と問われたら迷いなく、これですね!と自信を持って言えるモデルがありまして。
それがこの「ネオエアー トポ リュクス NeoAir® Topo™ Luxe」です。

このモデルを端的に説明するなら、”フッカフカで軽い”。
この”フッカフカ”と”軽い”の次元が他とは別次元です。

このマットレスの厚みは10cmありまして、これほとんど家の敷き布団です。(なんなら我が家の来客用布団より厚いです)
もちろんただ厚いだけじゃなくて、屈強なハイカーの体重を預けても底付きしないしっかりした剛性感が感じられるのは、適度に厚みのある50D(デニール)ポリエステルの表面素材と効率的なツインロックバルブのおかげ。
短時間で好みの硬さに空気圧を調節し、寝返りを打ったり肘をついたりと無造作に扱っても、破れたり伸びたりという心配は必要ありません。

“キャンプってさ、寝心地悪いのがあんまり好きになれない理由でさ...”
なんていってる方には、我が家に泊まっていただいてから、キャンプでこのマットレスに寝ていただこうと思っています。

そしてこのマットレスの重量は約800g(RWサイズ)。
ULハイカー向けの軽さを重視するエアマットレスは数多ありますが、同サイズ比較でも概ね300~400g程はあります。歩き疲れた身体をしっかりと休められる快適性に対してペットボトル1本分に満たない重量増なら、補って余りあるほどでしょう。
オートキャンパーの貴方にだって、ギアのコンパクトさと軽さは設営も撤収も楽になるしメリットは多いです。

アメリカのアウトドアブランドを見ていると共通して思うことがあります。
それは、”もっと快適に”と”もっと楽しく”のスピリットです。本気で遊べるものと、その目的の為に本気で休めるものを、本気で作る感じがプロダクトを手にするとひしひしと伝わってくるのです。

この「ネオエアー トポ リュクス」をはじめ〈THERMAREST〉の主要マットレスは、アメリカの自社工場で生産される、れっきとした”Made in USA”。
アウトドアカルチャーを最も”楽しく快適”に進化させてきた国のマットレスは、間違いなく「逸品」です。

2021-08-31

HENDER SCHEME
のレザースリッパ

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今回ご紹介するアイテムは、「ちょっと自分には贅沢かな...」なんて言わずに読んでいただければ幸いです。最後まで読んだらきっと、興味を持たずにはいられない筈ですので。

〈Hender Scheme〉がその名を世に知らしめた代表的なプロダクトといえば、「manual industrial products」を思い浮かべる方は少なくないでしょう。アイコニックなフットウェア a.k.a KICKSの数々をタンニンレザーと職人技で丁寧に再構築した、アレですね。(こちらも間違いなく一品に相応しいプロダクトですのでそれはまた次回に)

”既視感のあるデザインをフルレザーで再構築する”

このアイデアはブランド全体でアプローチし続けられていますが、この「TRIP SLIPPER」もまた、そんなアプローチによって生まれた稀有な「逸品」です。

デザインソースとなったのは1960年代に生産されていたUSサープラス(官給品)のルームスリッパ。
大量生産されたオリジナルは粗雑なコットン製ですが、一見して”何処かで見たような?”となる既視感ありありなルックスを巧みに引用し、国内の職人の手によって贅沢に再現しています。

プロダクト毎に様々な皮革を使い分け、その目的や用途に合わせて最も適した皮革を用いる〈Hender Scheme〉ですが、室内で足元を包み癒してくれるスリッパの素材として、一般的なカウスウェードやピッグスウェードより、一層しなやかで”ふわり”と柔らかな毛足を持つゴートレザーを使用しています。
足にフィットするのに締め付けや圧迫感を感じないのは、薄く鞣しても高い強度を保てるゴートレザーならでは。適度な硬さの芯地とふわっと柔らかなフォーム材を仕込んだフットベッドのおかげで、とにかくずっと履いて居たくなる履き心地です。

この「TRIP SLIPPER」、”スリッパ”という概念でお値段を見たら決して安いお買い物ではないと思います。
ですがこのプロダクトについて、私は「とても実用的なアートピース」と解釈しています。
大量生産・消費されてきたマスプロダクトやパブリックデザインを逆手に取り、既視感が高ければ高いほど、オリジナルがチープであればあるほど、職人技と上質な皮革による再構築がなんとも”痛快”で、ポップアートのようにキラキラとした魅力を放ちます。

日頃は贔屓のギャラリーやミュージアムに足を運ぶのが好きなそんな貴方へ。
家でのんびりくつろぎながら使って、眺めて、感性を刺激するのもよろしいかと。

2021-08-24

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