今週の逸品

セレクトしたアイテムの中から長く愛せる「逸品」をご紹介。

THE NORTH FACE
のマウンテンライトジャケット

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コントラストの効いたブラックで切り返されたヨークライン。一目して特定のブランドと認識させるシンボリックな意匠。
90年代の〈THE NORTH FACE〉を象徴するデザインです。

特定の目的を果たす為の機能性が日常でも有効であることが認知され、それまでスポーツウェアと比較してどこか野暮ったさを拭いきれずにいたアウトドアウェアが、そのデザイン性やカラーリングを大きく飛躍させ、ファッショナブルなものとして取り入れられ始めた90年代。
そんな色褪せない時代の〈THE NORTH FACE〉のクラシックデザインを、今も尚継承し続けるシェルジャケットがこの"MOUNTAIN LIGHT JACKET"です。

梅雨の気まぐれな天候には、深いフードをガバッと被って通り雨をやり過ごす。夏の外遊びでは、高い遮風性で街とフィールドとの寒暖差を埋めてくれる。季節が移り冷たい風が吹くようになったら、ゆとりのあるシルエットを活かして様々なレイヤーを楽しむ。

日進月歩で進化し、ハイスペックなウェアが次々とリリースされるこのアウトドアウェアの世界において、"MOUNTAIN LIGHT JACKET"が今も尚多くのユーザーに愛される理由は、様々な用途を自ら選択して使うことの出来る”懐の深さ”のようなものだと思っています。

この"MOUNTAIN LIGHT JACKET"にはそれが残されています。

2021-06-01

一翠窯の角皿

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器に興味のある人なら一度は耳にする言葉”やちむん”。

沖縄の言葉で”焼き物”を意味し、その歴史は琉球王朝時代にまで遡る伝統的な陶芸品です。豊かな風土が生み出す素朴で大胆な模様と鮮やかな色付け、その魅力は昭和民藝運動のパイオニアである柳宗悦らに見染められ、その後日本全国の愛好家に広く認知されていきます。

、、といった堅苦しい出だしを流し読んでいただいたとしても、〈一翠窯〉が生み出す器の魅力はその外見から溢れています。世間の”やちむん”のイメージを気持ちよく裏切るような、既成のイメージにとらわれない自由な作風。それはレトロモダンな北欧デザインのようでもあり、一方で日本人の持つ”侘び寂び”のような美意識の琴線に触れる感覚も抱かせます。

特にこの色鮮やかな格子模様を落とし込んだ角皿は、ミッドセンチュリーを想起させるようなレトロなトーンの釉薬と角を落とした柔らかなフォルムが相まって、穏やかで優しく、なにより明るいムードを感じさせます。インテリア、料理の和洋を問わずマッチし、そして使うたびにじんわりと楽しくなるような器です。

ルーツとなる地、那覇・壺屋(つぼや)に多くの陶工が集まり、競い会うようにして技術を磨き発展した”やちむん”。その壺屋に拠を構える〈一翠窯〉は、そのルーツに敬意を払いながら、より自由な創造に磨きを掛け続けています。

2021-05-25

PACIFIC FURNITURE SERVICE
のセイコー製壁掛け時計

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「かっこいいモノがあるからかっこいい生活があるのではなく、かっこいい人がいるからかっこいい生活がある。」
東京を代表する家具ブランド〈PACIFIC FURNITURE SERVICE〉 のコンセプトの一文です。

お取引をスタートしてから10年近くの年月が経とうとしていますが、代表の石川さんはいつお会いしたって"飾らない"という印象を持つ方。石川さんは〈PFS〉を立ち上げて以来20年以上ずっと第一線でやってこられた方なので、当然ながら経験は超豊富で「こんなの思いつきます?」とか「ここ拾います?」といった感じの、尋常じゃない視点からのアイデアをどんどん繰り出してきた方です。それでいていつ会っても飾らずにラフに話してくれる非常に格好良い大人で、代表自らがコンセプトを体現してるなぁと常々感じます。

このコンセプトが意味するところは、モノありきでは決して無くあくまで人ありき。"何"を所有してるか、では無く"誰"が所有しているか。
特に今はそんなことを漠然とみんな感じる時代になったのではないでしょうか。もはや"これ持ってるのすげーだろ"ということには全く魅力を感じず、"それを所有して何を経験したの?"っていう方向に完全シフトしていると思います。

長くなりましたが、時代がようやく〈PFS〉のコンセプトに追いついて来てる感がある中で、石川さんの選球眼が冴え渡っているベストセラーアイテムの壁掛け時計のご紹介です。

その昔、都バスで使用されていたセイコー社製の業務用壁掛け時計。販売が取り止められていたところを〈PFS〉との共同開発で復活させたものです。
以前ご紹介した〈CLARINの椅子〉 と同様にパブリックスペースで使用されていた業務用という事もあって、耐久性が非常に高いです。防塵防湿対応のガラスフェイスで、後ろ側はゴムパッキンが施されていて、埃や塵、湿気にとても強いです。世田谷ベースばりにガレージでも使えるとのこと。

特に時計ですから、一番重要なポイントは"どれだけ視認性が高く、一目で時間が正確に分かるか"という点。この時計は家の中でも違和感無く使えるぐらいのサイズ感で、決して大きいサイズというわけではありません。どちらかというと壁掛け時計としては小型の部類かもしれません。それでも計算され尽くしたフォントや文字のサイズ、色のバランス、不要な要素の削ぎ落としなどによって視認性は抜群です。

文字情報じゃなく感覚的に時間が分かることや、仕事の時間配分なども考えやすい為、個人的には時計はアナログが好みです。仕事や私生活はテクノロジー漬けです。めちゃくちゃ便利なことばかりで、もっともっとデジタルによる恩恵は進んでいくんだと思いますが、"感覚"だけはアナログでいたいという気持ちもあり、そんなバランス感を生活の中で自然と補っているのかもしれません。全然大したこと言ってませんが、書いていてなんとなくそんな事に気付きました。

この時計の非常に重要なポイントは"秒針が音のしないスイープセコンド仕様"という点。私なんかは激烈神経質A型左利きな為、"カチッカチッ"という音で不眠症確定なので必須項目です。おかげさまで自宅で使えてます。
おすすめです。

2021-05-18

COBBLE MOUNTAIN
のハンモック

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7年前の春、中目黒に"ROOTS to BRANCHES"というお店をオープンしました。
僕たちが実際に使ってみて、実際に袖を通してみて"良い"と本当に納得した道具や洋服を販売しているお店です。ジャンルで区切ることも敢えてせず、お花やサボテンなどの植物、写真やアート作品なども販売していて、おかげさまで8年目の今も元気に営業中です。

表立って明言はしていないのですが"EVERYDAY SUNDAY"という裏テーマを掲げて、"休みの日に友達の家に来た時のようなリラックス出来る空間"を目指して作り上げました。2階の角部屋という事もあり、日中の光の入り方がとても気持ち良く、壁の色は白以外の選択肢はありませんでした。目黒川の桜が咲き誇っている中、社員総出で壁を白く塗ったのは泣ける思い出です。

元々木張りだった床に合わせて店内で使用している什器や家具、日頃お客様はあまり目につかないポイントかと思いますが、ブラインドなども含めて全て木製のもので統一し、オープンギリギリでしたが、結果的に商品が一番映える&気持ちの良い柔らかい空間が出来上がりました。

その雰囲気に一役買っているのが〈COBBLE MOUNTAIN〉のハンモック。
オープン時から設置していて、他の什器同様このお店にフィットする珍しい木製のハンモックです。当時お店の開店準備をする中見つけたのはいいものの、気になってネットで調べてみても何せ日本に代理店なども無く、英語のページしか出てこないので、直接コンタクトをしてまずは少量送って頂いたのがお取引の始まりです。

〈COBBLE MOUNTAIN〉はアメリカ・バーモント州が拠点のハンモックカンパニーなのですが、生産に関わる全ての工程を自分たちの手で行っており、"地域経済を支える"というカンパニーポリシーにもとても共感し、すぐにお取り扱いを決めました。届いた実物も全て手仕事とは思えないぐらいにとても丁寧に仕上げられた木製ハンモックで、感動したのを覚えています。オーク材とロープの色味も奇を衒ってなくて最高です。本当に良いものは"普通"でいいと思います。

地元バーモント州で収穫されたオーク材を蒸して型を作り、耐久性&耐水性を上げる為に環境に優しいシーラントを塗って仕上げる。その後に、耐久性と快適さの両方をバランス良く実現する為にチョイスした、綿ポリ混紡のロープを編み込んでいくという作業を地元の職人さんが一つ一つ丁寧に行っています。当然そんな工程を踏むので大量生産は出来ないですし、オーダーしてから届くまで時間がかかります。結構かかります。でもその不便さが良い。
大量生産するとクオリティコントロールにも目が行き届かなくなりますし、あくまでこのスタンスを崩さずにマイペースに続けているところが素敵です。

〈COBBLE MOUNTAIN〉の特徴はオットマン(足置き)が付属する事、自由自在に高さや角度を調整出来る機能が付いている事です。もちろんオットマンの微調整も可能です。身長や体型によって人それぞれ一番快適に過ごせるポジションが異なるので、微調整できるこの機能は非常に嬉しいポイント。

お店に設置してから今まで本当にたくさんの方に試して頂きました。オープン直後のクタクタな状況で閉店後に自分もこのハンモックで油断して朝まで寝てしまったビターメモリーもあります。

〈COBBLE MOUNTAIN〉が謳っている"雲の上の感覚"という言葉に偽りは無く、特に今のこの気持ちの良い時期、庭で優しい風に当たりながらこのハンモックに揺られたら100%落ちます。大人も子供もすべからく眠りに誘われることでしょう。

最後に、〈COBBLE MOUNTAIN〉の全ての製品には職人さんのサイン入りカードが付属します。地元バーモントの品質と職人技への誇りを感じずにはいられない逸品です。

2021-05-11

JALAN SRIWIJAYA
のボートシューズ

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夏が近付くにつれて段々と気になってくるボートシューズ。
"Paraboot"や"Timberland"、"TOPSIDER"などなど、色々なメーカーからリリースされている定番靴ですが、宇宙に煌めく星のごとく、数多ある選択肢の中からCOVERCHORDで最大級にレコメンさせて頂きたい〈Jalan Sriwijaya〉のボートシューズをご紹介します。

その名の通り船の"甲板"で作業をする船乗りの為の靴が由来ですが、今では最早"甲板"が連想できないような代物まで含めて多種多様なモデルが溢れかえっている為、「どれを選んだらいいかわからないよ」、「仕事辞めてこの先どうやっていけば生きていけばいいかわからないよ」などのお言葉を頂くこともあります。

一番"ぽい"デザインと言えば、水で滑りにくくする為にアウトソール表面に無数の切り込みを入れた薄手の"スペリーソール"を使ったタイプです。
このソールを使ったボートシューズは見た目もすっきりしている為爽やかさを演出させますし、LIKE A 石田純一さんで裸足、もしくはインビジブルソックスがばっちりハマる夏の一足と言えるでしょう。"スペリー"がモデル名に入る "TOPSIDER"なんかが代表格ですね 。

「人とちょっと違うものが履きたい」、「うんちくなんてどうでもいいからとにかく合わせ易いものがいい」、「そんなに爽やかさは求めてない」、「これからは男らしく生きていきたい」というわがままな方には特におすすめなJalanのボートシューズ。
履き口周りの革紐や、靴の甲部分がU字状に縫われたモカシン仕様など、ボートシューズのディテールを取り入れながらも"Vibram®"の重厚なコマンドソールと、上品な印象のカーフレザーを組み合わせたハイブリッドなモデルです。

この文章だけ見るとただいろんな要素をチャンポンしてるだけ、のような印象を受けるかもしれませんが、このモデルの秀逸なポイントはそんなチャンポンを一つのプロダクトとして高い完成度でまとめている事。上品な雰囲気も無骨な雰囲気も持ち合わせている為汎用性が高く、色々なスタイルに合わせることが出来る事。
そして、熟練の職人が一つ一つ手作業でアッパー、ウェルト、アウトソールを手縫いしてる為非常に丁寧な作りで長く履ける事。そんな手間を惜しまず作っているのに優しさ溢れるプライスな事。などなど、とにかく良いとこ尽くしです。

前述した通り、大体どんなスタイルにもハマりますが、個人的にはミドル丈ぐらいのソックスをちゃんと履いて、ちょっとスポーティーな印象の〈AURALEE〉のこのシャカパン〈nonnative〉のこのシャカパンの裾を絞って合わせるのが良さそうな気がしています。

2021-04-27

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