今週の逸品

セレクトしたアイテムの中から長く愛せる「逸品」をご紹介。

FUTAGAMIの箸置きとカトラリーレスト

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「箸置き」って、キッチンの引き出しについ溜まってしまうものあるあるじゃないでしょうか。貰い物だったり、出先で衝動買いしたり、、で気づけば、広くもない我が家に箸置きだけは大宴会ができるほど集まってしまいました。大抵は陶器や木製なんかが多いのですが、そんな中で普段からつい手に取ってしまうの〈FUTAGAMI〉の真鍮 (しんちゅう)の箸置きです。

食卓や箸の使い込まれた木目、茶碗の釉薬や汁椀の塗りの光沢。どれとも被らず、喧嘩せず、やや淡い黄金色が落ち着いた気品を漂わせて、食卓の視界を一層豊かなものにしてくれます。「箸置き」というごく日常的でミニマムな存在に対して、ここまで意識させられたのは〈FUTAGAMI〉の箸置きが初めてでした。
一方、箸置きを使っていると実に「和っぽいな」と思う佇まい、これがスパイスたっぷりのインドカレーなんかを頑張って作って「カトラリーレスト」に変わると、またなんとも無国籍なムードにマッチして素敵だなと思わせるのです。

母体である「株式会社 二上」の創業は1897年(明治30年)と古く、鋳物産業が根付く富山県・高岡市で創業します。長年に渡って仏具の製造・販売を手掛けてきたのち、真鍮の魅力を生活すべてに提案すべく自社ブランド〈FUTAGAMI〉を立ち上げます。磨きを掛けずに砂型の「鋳肌 (いはだ)」を生かしたやわらかな凹凸感と、触れて使った分だけ酸化してどんどん深まる経年変化を生み出す無垢の仕上げ。直線と曲線を織り交ぜながら少ない線で構成されたデザインは、インテリアの東西を問わず自然に溶け込んで、静かに、しっかりと主張してくれます。

日毎に増していく蝉の声と日差しの強さを感じながら、このタイミングでなぜ〈FUTAGAMI〉のご紹介をしたくなったのか、ふと思いました。田舎で育った私の実家の仏間。薄暗くてひんやりと涼しくて、仏壇に上がったお菓子を開けながら仏間でゴロゴロする夏休みが私は大好きでした。

夕飯のそうめんを茹でながら〈FUTAGAMI〉の箸置きをテーブルに並べてふと目が行った時、そんな記憶が浮かびました。

2021-07-20

PACKTOWLのアウトドアタオル

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〈PackTowl〉はアウトドアタオルを一貫して作り続ける歴史の長いブランド。中でも「LUXE」と名付けられたこのシリーズは高さのあるパイル織を採用し、携帯性を重視して薄くシート状にしたものが多いアウトドアタオルの世界にあってちょっと特別な存在です。

圧倒的なロフト(かさ)の豊かさと共に得られる極上の肌触りは、汗ばんだ運動時や風呂上がりの湿った肌にも、夏の日差しと海水にさらされて乾いた肌にも平等に、優しく触れてくれます。更にポリエステルとナイロンを混紡したマイクロファイバー素材は自重の5倍の吸水量を持ち、同じ質量のコットン素材と比較して1/3の時間で乾きます。

使ってみて最も印象的だったのは、肌に滑らせた瞬間の吸水力。ちょっと驚きます。
マイクロファイバー素材特有の肌に引っかかる「あの」感じは皆無で、全身拭き終わるまでスムース&ドライをキープ。アウトドア用途であるにも関わらず、実際に普段のお風呂上がりでもちょいちょい使用してしまうほどです。

私はハイクやトレイルランニングといった山遊びをきっかけに、いわゆる「アウトドアタオル」をいろいろと選ぶようになりました。食事中も汗をかき、冬でも汗をかき、黙っていても汗をかく私です。アクティビティの最中に至っては、もはや拭う意味を問うほど汗をかきます。そうなるとコットン素材のタオルや手ぬぐいは即座に吸水のキャパシティを超え、乾くまでしばらくの間「ただ水分を引き伸ばすだけのもの」に成り果てます。
この不快感はアクティビティだけではなく日常のシチュエーションでも、例えば汗で濡れたハンカチをポケットに仕舞い周囲が濡れる不快さといったらありません。より水を吸いより早く乾く、アウトドアタオルは日常のちょっとした瞬間でも恩恵を授かれます。

だけど、技術の進歩に伴って全てのコットン素材が化学繊維に変わるか?といったら、そうではありません。
絶対的にコットンが優れている部分が「肌触り、拭き心地の良さ」だから。多少面倒があっても、人間気持ちいいほうに行ってしまうものです。じゃあ、もしコットンに匹敵する「肌触り、拭き心地の良さ」を併せ持つ化学繊維のタオルがあったら?

この問いに対する現時点での最適解のひとつは、このタオルだと思います。

2021-07-13

N.HOOLYWOODのポケットT

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〈N.HOOLYWOOD〉の細分化されたラインの中でもとりわけ「逸品」を発掘しがいがあるのが、シーズンレスで展開されている「UNDER SUMMIT WEAR」ライン。ブランドの言葉を借りるとこのようにあります。

“必要最低限のアウターとして着られるアンダーウエア”という、新たなコンセプトで生まれた“UNDER SUMMIT WEAR”。Summit (首脳、スペシャリスト、最上級な) とUnder (下) を掛けて「下 (肌着) にあるものの中で最上級な」という意味を持つアッパーライン。

「アウターとして着られるアンダーウエア」と掲げるだけあって、着心地は最上でありながらあくまでアウターとして1枚で着る事を想定。そんな「UNDER SUMMIT WEAR」ラインでも特に良かったのがこのソリッドなポケットT、モデルナンバー「16RCH」です。

まず目を引くのが、思わずシルク糸かと誤解させるほど豊かな光沢感。インド産の最高級品種「SVIN GOLD (スビンゴールド)」を使用した、繊維の長さと細さによる上品な光沢とぬめり感のある滑らかな肌触りが特徴です。更に肉厚且つやや甘めに編み立てることで、しなやかさと生地の自重による美しい落ち感を生み出しています。

乾いた肌にはしっとりと触れ、一方で汗ばむ肌にはコットンの恩恵を受けてしっかりと吸水。質量のある生地と相まって、真夏の繰り返し汗ばむシチュエーションでも快適そのもの。それとこの「16RCH」、多くのバリエーションを持つ「UNDER SUMMIT WEAR」ラインナップ中でも身幅を広げ着丈をやや切り詰め、1枚で着用した際にバランスの良いパターンを採用しています。「アウターとして着られるアンダーウエア」のコンセプトに沿う、ブランドの意思を感じ取れるポイントです。

「何を着るか」を想像する時間は楽しいものですが、暑さでスタイリングが億劫になったり遊びの計画も立てたりと、なにかと考え事の多い夏。
〈N.HOOLYWOOD〉の「16RCH」を数枚ワードローブに用意しておくだけで、この夏の思い出がぐんと良いものになりそうです。

ちなみにこの「UNDER SUMMIT WEAR」ラインのアイテム、専用サイズに設計されたFellows®社製のオリジナルBANKERS BOX®にパッケージングされています。
洋服でここまで拘ったパッケージングはなかなか無いですし、こんな所も「逸品」に値する所以かと。

2021-07-06

HALムスイの無水鍋

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家での食事に豊かさを求めたくなる昨今。
デリバリーサービスを使ってプロの味を家庭で味わうのも一興ですが、こんな時代だからこそ、自分で調理して味わうそんな当たり前のことを、一層大事にしたいと思うようになりました。

とはいうものの、家に居る時間も細かなタスクは山積してるし、日々献立を考える時間はどんどん減っていきます。工夫を凝らした調理じゃなくても、ちゃんと充実感を得られる食事をとりたい。実現させるための道具として〈ムスイ〉の「KING 無水鍋® 20」はとても魅力的な選択肢になるでしょう。

「KING 無水鍋®」が発売されたのはなんと1953年。無水調理鍋と呼ばれるものは数多く存在しますが、広く定着している「無水鍋」の呼称はこの〈ムスイ〉の製品にしか使えません。
当時、台所の熱源はかまどからガスへ移ろうとしていた転換期。「KING 無水鍋®」開発のきっかけは”ガスでも羽釜のような美味しいご飯が炊けるように”との想いからだったそうです。

届いたその日には、ぜひごはんを炊いてみてください。
白いごはんがおいしい。当たり前だと思ってたことが当たり前じゃなかったと知る。
この発見を得られるだけでも「KING 無水鍋®」を試す理由として十分。
それとネーミングの通り「KING 無水鍋®」なので、無水調理に挑戦しましょう。野菜を洗い、そのまま鍋に入れて、少量の水を入れたらあとは火にかけるだけ。野菜の味がこれでもかと濃縮され、シンプルな味付けで驚くほど豊かな味わいを楽しめます。

入り口はこんな感じで、食材に火を通し、シンプルに食してみる。もっと使いこなしたくなったら、〈ムスイ〉のオフィシャルサイトに掲載された多種多様なレシピに挑戦するだけでしばらくの献立には困らなそうです。

加えてぜひお伝えしたいポイントなのですが、とにかくデザイン、マスプロダクトとしての佇まいが実に素敵です。曇りなく丁寧に磨かれた本体は国内外の自動車メーカーの部品を製造する高精度・高品質な技術が用いられ、プロダクトとしての精度がぐっと引き上げられていて、惚れ惚れするほど。1953年に発売された「キング印 無水栄養ナベ (発売当時の商品名)」と比較して殆どその原型を変えていないという点もまた、いかに無駄のない完成されたデザインであるかを物語っています。

取手に刻印された「キング」の表情はいつだって誇らしげです。

2021-06-29

AND WANDERのサコッシュ

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半透明で紙のように薄く、独特の”クシャ”っとした質感がなんともフューチャリスティックなあの素材。強度は防弾ベストに使用されるアラミド繊維より高く、フィルムラミネーションされており水を通しません。
この素材の正式名称は"Dyneema® Composite Fabric (=DCF )"といいます。

レジスターマーク(®)がある通りDyneema社と一部のライセンス契約された会社で製造された素材のみを指す名称ですが、2015年にDyneema社が買収する以前、Cubic Tech Corporation社によって製造・展開されていた時代の素材名だったのが"Cuben Fiber (キューベンファイバー)"です。アウトドアギアに大きなムーブメントをもたらした同素材が普及した時期と重なり、Cuben Fiberは現在でも通称として浸透している、という訳です。

〈and wander〉 の持つテクニカル且つファンクショナルなイメージにとてもよくマッチしたCuben Fiber素材を使用したサコッシュは、現在までブランドが提案し続けるスタンダードなアイテムのひとつです。行動食や地図やハンドタオルなどすぐ取り出すアイテムを入れたりで山ではもちろん大活躍なのですが、ちょっとしたお出かけや旅行のサブバッグとしても重宝します。

使用される素材の一つ一つ細部に至るまで計算され、ブランドのフィロソフィが随所に散りばめられています。

また、初めはパリッとハリの強いDyneema素材ですが、使い込む毎にどんどんしなやかになってシワが増してくるその様は、ハイテクな素材でありながらなんとも味わい深い経年変化を生み出します。

なお、先ごろ公開しました「クリエイターにきく、外あそびのすゝめ THE CREATORS' CHOICE ENJOYING THE OUTDOORS」コンテンツ内で光栄にもデザイナーの森さんに寄稿いただきましたので、こちらも是非ご覧になってみてください。デザイナー自身の豊富な山の経験が生み出す〈and wander〉のアイテムは、様々なシチュエーションを想定した細かな配慮に満ちていて、使う度に"道具を使うこと"、"機能を体感すること"がどんどん楽しくなってくるのです。

2021-06-22

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