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COVERCHORD FEATURE

Ernie Palo
AW 2023 COLLECTION
RYO YAMAGUCHI Special Interview

〈Ernie Palo〉を主軸にした秋冬スタイリングをご提案。
デザイナー・山口亮氏のクリエイションと、人となりに迫るスペシャルインタビューも。

9月23日 (土) 発売

〈Ernie Palo〉の秋冬コレクション“edition 06”が絶賛発売中。

“ユニバーサルなクリエイションの中にあるアイデンティティの追求。今を感じながらもその先の時代にarchiveとして受け継がれていくproduct”をテーマに掲げ、性別を問わない、クリーンで普遍的なアイテムを展開する本ブランド。

ベーシックなカジュアルアイテムでありながら、丁寧な作り込みと、確固たる美意識を感じる美しいシルエット。〈Ernie Palo〉を着ることとは、まさに気品を纏うこと。

本特集では〈Ernie Palo〉の今コレクションを主軸に、COVERCHORDセレクトアイテムとのスタイリングをご紹介。このスタイルを参考に、今シーズンワードローブに迎えたい一着を選んでみてはいかがだろう。

記事後半ではデザイナー・山口亮氏へのスペシャルインタビューを掲載。〈Ernie Palo〉のクリエイションだけでなく、衣食住全般に関わるライフスタイルを提案をする、同氏の人となりにも迫った。

9月23日 (土) 発売

9月23日 (土) 発売

RYO YAMAGUCHI
Special Interview

〈Ernie Palo〉デザイナーの山口亮氏は、「洋服のデザイナー」という枠組みだけではとても捉えきれない。
衣食住そして旅、すべてに対する愛情と、深い造詣を持ち、日々のライフスタイルから得たイメージを普遍的なデザインへと落とし込む。

まさにCOVERCHORDが理想とする人物像と言っても過言ではない、「暮らしを愉しむ」プロフェッショナルはどのようなバックボーンを持つのか。

山口さんの大切な場所「MAISON CINQUANTECINQ」に伺い、自分の人となりについて、そして今コレクションについてお話を聞いた。

―山口さんが洋服に興味を持った原体験を教えてください。

なんだろう、〈LEVI'S〉とか、具体的なモノから入った感じではなかったけれど…...
小学校5年生くらいの頃、通っていた英語教室で見た某ミュージカル映画の雰囲気や、同時期にテレビで見たスチャダラパーの空気感がとても好きで、それらのカルチャーや、当時のストリートカルチャーなどに魅せられたことが原体験かもしれません。
コーチジャケットにペインターパンツを合わせて、〈CONVERSE〉の「WEAPON」とか履いてたりしてましたね。

―意外! そして早熟ですね。

一人っ子だったので、兄弟を持つ友達と比べて入ってくる情報量が違いました。「兄ちゃんから服貰った」とか、羨ましかったなあ。
加えて、中学・高校時代からはとにかく音楽に傾倒してゆきましたね。

―最初にブランドを始めた頃から今に至るまで、山口さんの中でどんな変化がありましたか?

単純にモノ作りに対しての知識量は増えたし、関わる人が増えました。ただ、自分の中で根本的に好きなものは変わっていないです。マイナーチェンジはあれど。
人間関係のスタンスに関しても、基本的に変わらないと思います。

―山口さんは、本当にいい意味で「超常識人」ですよね。

単純にシンプルな方がいいと思っています。そこさえキチンとしていたら、自分の思う良い方向に向かう気がしています。
天才肌な感覚は自分にはないと思っていて、シックかつオーセンティックな領域でどう勝負できるかが好きです。
許容範囲は、自分の中では広いと思っていたけれど、意外と周りの人間からすると狭いらしい(笑)。
どこのゾーンでのことかにもよるけれど、確かに「これは違う」というジャッジは早いかもしれません。

―ファッションのみに偏らない、衣食住全般に関する山口さんの造詣の深さ。そしてそれらを大切にする「スタイル」にとても親和性を感じています。

高くてもいいモノを持っておきたいというタイプな気がします。それは実体験も同じで、自分の資産になるものに時間を割きたい。新しいモノが好きというわけでもないけれど、世間が着手していない方が好きです。
ここ「MAISON CINQUANTECINQ」もそうですが、日々の生活や人との出逢いの中で培われた自分の「好き」の積み重ねが、幅の広さに繋がっていったと思います。なのでライフスタイルの中で、特段大切にしている時間はなく、全てはバランス感覚だと思います。
年を重ね自分の考え方やロジックも固まってきたので、他者の意見に左右されず、自身の中で物事の良し悪しが棲み分けされるようになりました。

―ブランドスタート時には「STUDIO PREPA」とのガラスオブジェや、「ZEPTEPI」とのワインボトルケースなど、異業種とのコラボレーションが印象的でした。協業をする上で山口さんが大切にしていることはなんですか?

これらのコラボレーションは、〈Ernie Palo〉をスタートする時に友人である丸山智博(代々木上原のギャラリー「AELU」、「MAISON CINQUANTECINQ」のオーナー)と、何か一緒にやりたいと話していく中で形になりました。
ブレンド同士のコラボレーションにおいて有名かどうかはさて置いて、自分がいいなと思った人、いいなと思った物をWIN-WINの関係性で作り上げてゆくのは楽しいですよね。
そういった取り組みを継続していくと、ありがたいことにコラボの声をかけていただくこともあります。が、本当に好きかどうか。これが前提です。
目先のものに釣られないよう、自分たちが大切にしていることを曲げないよう。

―「音楽」も食や洋服と同列で、その人自身のスタイルを形成する重要な項目だと個人的に考えています。展示会に伺った時に「岡田拓郎」が流れているのに驚きました。ブランドの展示会で聴いたことないです「岡田拓郎」。音楽について愛してやまないジャンルはありますか?

岡田拓郎はその時の気分で作ったプレイリストに入っていました。
気分で変わってしまうので、愛してやまないジャンルというのはあまりないですが、最近はアンビエントやドローン系が好きです。

―理想の休日の過ごし方を教えてください。

「仕事のこと考えなくていい状態が楽しい」というタイプではないので基本オン/オフの概念はありません。むずかしいですが今は子供と時間を共有することが楽しいです。
自宅で仕事をしているのですが、毎朝決まった時間に起きてデスクに向かい、作業に前進して行くんですけど…...実はこの前のお盆に「一日何もしない」って意識的に決めた日があって。
妻と子供は実家に帰っているし、今日はめちゃくちゃダラダラしてやろうと思って。普段日中に寝ることなんてないけれど、その日は昼からソファに転がって頑張って寝てみたら、起きたら部屋暗くなって、「うわ、寝れたぁ」みたいな(笑)。
その日はかなりリフレッシュできたから、そういう体験も新鮮でいいかもと思いました。

―それが新鮮な体験って珍しいと思います(笑)。普段からお料理もされるんですか?

たまにです。ちょうど昨日、サラダを作ったのですが、スライサー攻めすぎちゃって…...指を切って久しぶりに血なんか出ちゃったりしたから結構テンション落ちてました(笑)。普段は外食が多いです。

―6度目のコレクションを迎えた〈Ernie Palo〉ですが、着想源となったモノ・コトがあれば教えてください。

ピンポイントな着想源はないんですが、“edition 06”シーズンは少しクラシックなムードにしたいなと思い、ツイードやモールスキンなどを使用しつつ、クラシックになり過ぎないようにクリーンな素材をミックスしました。
基本的なスタンスはスタート当時から変わりませんが、シーズンを追う毎に発表する型数は増えましたね。
1stシーズンよりメンズ、レディースのイメージが分かりやすくなっていて、ちょっとずつブランドのキャラクターが決まってきたのかなと思っています。

―山口さんが考える「ベーシック」の魅力と、それを追求する時に特にこだわる点を教えてください。

「ベーシック」の魅力は、着用者のキャラクターやスタイリングで、落とし込みの幅が広がることです。こだわる点は、素材とシルエット。

―確かに〈Ernie Palo〉の洋服は、丁寧な作り込みや、美しいシルエットに毎シーズン驚かされます。特に男性である山口さんがレディースラインを手がける上で、どのように洋服作りに向き合うのか教えてください。

自分が考える理想と現実のバランスと、あまり女性的になり過ぎないようにすることを大事にしています。
メンズらしいムードは残しつつ、女性が着た時にメンズサイズを着ている感じにはならないように考えています。かっちりし過ぎないように、どこかヘルシーなムードが出るように抜きは作りたいなと思っています。

―他のユニセックス展開のブランドは、サイズグレーディングでレディースのアイテムを作ってることが割と多いように思います。

もちろんその方がわかりやすいけど、それはサイズレンジがもっと広くないと成立しないし、単にメンズ派生のレディースラインにはしたくなかった。
会話の共通点として「持っている」「知っている」ではなくて、しっかり「好き」になってもらうブランドへと育みたい。
手元には届けられるけど、どう印象に残すかどうか。これが重要じゃないですか。

―これからの〈Ernie Palo〉で表現したいことや、今現在、山口さんが興味を持っていることを教えてください。

海外で〈Ernie Palo〉のPOP-UPをやることや、自分の好きなことをそのまま海外での展開に繋げていきたいです。

山口 亮 (やまぐち・りょう)
1982年福島県生まれ。〈Ernie Palo〉デザイナー。
・2021年春夏にedition1としてブランドスタート
・Gallery AELUと共作でプロダクトを不定期でリリース。第一弾は長野のガラス作家STUDIO PREPAにSOLID BOWLを制作依頼。
・パリのジャーナル誌The Skirt Chroniclesのディレクションでedition2, edition3のシーズンビジュアルを撮影。
・edition3 Gallery AELUと共作でプロダクトの第一弾と同じ長野のSTUDIO PREPAにFlower baseを制作依頼。空間デザイナーHARUMA YANAGISAWAとの共作でメタルスツールをリリース。
・edition5 seasonからParis Fashion weekにGallery AELUと共にThe Art of ToneとしてShowroomを開催。

Instagram_@ryo__yamaguchi

9月23日 (土) 発売

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