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COVERCHORD FEATURE

GUIDI × nonnative
CENTER ZIP BOOTS “BIG DADDY”
TAKAYUKI FUJII Special Interview

今では〈nonnative〉のスタイルを象徴する足下となった〈GUIDI〉。
デザイナー藤井隆行がその魅力を語る。

Vol.2 10月14日(土)発売

“ノンネイティブ”というブランド名は、つくり手である藤井隆行の姿勢そのものだ。
国籍や時代背景、モードにストリート、着方の規範やセオリー......そのどれにも依存せず、カテゴライズできない現代的なスタイルやプロダクトを、いつだって藤井は模索してきた。

しかし、固執や執着とは縁遠い彼だって、時としてその偏愛を覗かせることがある。イタリアのシューメイカー、〈GUIDI〉はその最たるところだ。

ごくフラットな感性の藤井は、なぜこのブランドのシューズにここまで傾倒しているのだろうか?話は、〈nonnative〉がコラボレーションを果たすよりもはるか前に遡る......。

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TAKAYUKI FUJII
Special Interview

パリ出張で20km、2万3000歩くらい
歩いても平気でした。

─ 今日も〈nonnative〉でコラボレーションしたものから通常のインラインのものまで、色々とお持ちいただきましたけど、これ全部、私物なんですか?

全部私物です。今日はセンタージップのものだけを持って来てますけど、バックジップのものもあるから、まだこの倍以上あります。

―物量だけを見ても思い入れと偏愛ぶりが覗いているんですが、そもそもなんでこれほど〈GUIDI〉に惹かれたんですか? 上質な靴ブランドは世の中にいくらでもありますし、普通はこんなに要らないじゃないですか。お母さんみたいなことを言いますが(笑)。

(笑)。なんだろう......。やっぱりフィッティングと履き心地......なんでしょうね。このシェイプが本当にすごいなと思います。すごく色気があるし。〈CHURCH〉に〈TRICKER’S〉、〈J.M. WESTON〉ぐらいは俺も持ってますけど、正直あんまり履かないんです。〈GUIDI〉は人とカブりにくいっていうのも良いんでしょうね。

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藤井私物

―藤井さんが初めて〈GUIDI〉のシューズを買ったのはいつごろだったんですか?

最初は15年くらい前かな。バックジップの1枚革のブーツを見て、そのつくりがおもしろくて「どんな感じなのか?」と思って。それで、実際に履いてみるとすごい履きやすくて、履いていくうちにどんどんシワが出てきて。それがすごく格好いいなと。

―ユースは知らないかもしれませんけど、その頃ってレザーブーツがひとつのトレンドだった時代ですよね。特に革底のこういうスタイルの。

うん。〈GUIDI〉とか、〈CAROL CHRISTIAN POELL〉とかね。そこにサルエルパンツを合わせたりとか、パンツをインしたりとかする人がいっぱいいて。当時の〈GUIDI〉も〈RICK OWENS〉とかを扱ってるようなお店に置かれているのが基本だったと思います。言い方はアレだけど、〈GUIDI〉のパクリみたいなシューズもいっぱい出てましたね。だけど、履いてみるとやっぱり他とは全然違うんですよ。履いたときのフィット感が、特に。

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藤井私物

―協業や自社でもシューズデザインを何度もしてきた藤井さんから見て、〈GUIDI〉のその履き心地の良さって、どこから来るものなんでしょうか?

〈GUIDI〉って靴自体をつくってから染めてるから、それが大きいんだと思います。要は、水に浸かってるワケで、シュリンクされていて、それを想定して木型もつくられてる。だから、誰にも真似できないんだと思います。革と会話をしながらつくられてる。陶芸っぽいですね(笑)。

―確かに。でも、製品染めって洋服ではよく聞きますけど、シューズでもよくあることなんですか?

いや、あんまり無いですよね。スニーカーとかは別だけど、革靴ってそもそも染めるようなつくり方をされてないから大体パンクしちゃうと思います。例えばここに並べてるものも、ほとんどが革が違うんですけど、製品の寸法はちゃんと揃ってるんですよ。どういうことかと言うと、ちゃんと革ごとに縮率を計算して、木型にはめてちゃんと成形してるっていうこと。

―なるほど。そう言えば藤井さん、以前にインスタグラムのストーリーズで〈GUIDI〉を洗濯機に入れてませんでしたっけ?

うん。やっぱり履いてると革が伸びてくるから、そうなると洗ってまた革を縮めてるんです。

―そうだったんですね。初めて見たときには何事かと思いました。こんな高級品を雑に扱うなんて、藤井さんは意外と豪快だなと(笑)。

違う違う(笑)。逆に、さっき話したみたいな製法を考えるとむしろ正当なことだと俺は思っていて。ただ、それでシューズとか洗濯機が壊れちゃう人とかが出てくると困るから、「やるなら自己責任で」って書いてるんです(笑)。でも、これをやると靴下くらいフィットするようになるんですよね。

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藤井私物

―そうやって見るとレザーへの知見というか、つくづく革使いのノウハウを持ってるブランドなんですね。〈GUIDI〉は。

と言うか、元々が老舗の革メーカーなんですよ。〈GUIDI & ROSELLINI〉っていう。

―そうだったんですね! それで合点がいきました。でも、ファッション的にもスニーカーが盛り上がってまたしばらく経ちましたけど、そこから久々に革靴に戻るには、ちょっと勇気が要るかもしれませんね。

でも、ちゃんとフィットした〈GUIDI〉って本当に疲れないんですよ。今年、久々にパリに出張で行ったときも俺は〈GUIDI〉を履いて行ったんですけど、全然平気で。20kmくらい、2万3000歩とか歩いたのに。

―え!? そんなにですか!?

特にヨーロッパって石畳が多いから、スニーカーでは行かないんですよ。逆に疲れちゃうから。もうここ最近は海外出張に行く時はセンタージップとバックジップの〈GUIDI〉を3足持っていくのが自分の中では当たり前になってきました。それだけで事足りるから。重さは8kgくらいになっちゃうけど。

―オーバーチャージまっしぐらですね。そこまでしてでも、〈GUIDI〉を持っていく利便性があると。

うん。靴って、ちゃんとフィットしてると重くても疲れないんですよ。〈GUIDI〉は足首から甲までしっかりキープしてくれる感じ。

「お互いの共通項が〈GUIDI〉だよね」って
JONIOさんと話をして。

―藤井さんの思い入れはだいぶ伝わってきたんですが、実際に〈nonnative〉で〈GUIDI〉と協業が始まってからももう結構経ちましたよね?

2019年からですね。コロナ前にオーダーはしたんですけど、実際に世に出たのはコロナ禍になってからでした。センタージップとバックジップを両方企画して、最初に世に出たのがセンタージップの方。20万円以上する革靴がいったいどれくらい売れるんだろうと内心ドキドキでしたけど、蓋を開けてみたら一瞬で売れちゃって。

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nonnative × GUIDI(2020)

―最初のコラボモデルはどんな風にできていったんですか?

〈GUIDI〉に「〈VIBRAM〉ソールとかってできないんですか?」って訊いたところからですね。今ではインラインでも〈VIBRAM〉を使った〈GUIDI〉はいっぱいあるけど、そのときにはまだ無くて。行動範囲的にも、レザーソールより〈VIBRAM〉の方が広がるんじゃないかって。

―実際に製品化したときの周りやお客さんの反応はどうでしたか?

「ずっと気にはなってたけど、〈GUIDI〉はモードっぽい人しか履けないと思ってた」っていうのは結構言われました。「それが〈VIBRAM〉になったから、俺でも履けるんだ」とか。俺自身も元々履いていて、ソールの薄さが気になることは結構あって。やっぱりそこにストリート感は無かったから。

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nonnative × GUIDI(2022)

―ソールの違いで表情もガラリと変わるもんですね。素材のレザーも変更されてるんですか?

逆に革は指定してないんです。〈GUIDI〉って色によって革を変えてるんですよ。馬だったり牛だったり、ベビーカーフだったり、って。この柔らかいのは多分ディア(鹿革)かな。

―母体が革屋さんだから、そこは委ねる方が良いってことなんですね。

うん。色は、他とのコラボでやったものは使えないっていうのもルールとしてあって、例えばコーラブラウンみたいなものをやりたいとなったときでも、「この赤味のある茶色は〈UNDERCOVER〉で使ってるからダメです。隣の隣くらいのトーンだったら大丈夫」とか。逆に、ウチが使ってる色は他のブランドのコラボでは使えなかったり。

―しっかり棲み分けされてるんですね。〈UNDERCOVER〉で言えば、藤井さんとJONIOさんがやられているコラボラインの〈OZISIM〉でも〈GUIDI〉のブーツが出ていますよね?

そもそも〈UNDERCOVER〉と〈nonnative〉で一緒にやろうとなったとき、「お互いの共通項が〈GUIDI〉だよね」ってJONIOさんと話をして。「スタイルは違うけど、ふたりともコレは好きだよね」って。その中でもJONIOさんは特にバックジップが好きだから最初のシーズンにはそれをやって、今季は俺が特に好きなセンタージップを、という感じです。

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nonnative × UNDERCOVER “OZISM”
CENTER ZIP BOOTS “BIG DADDY" HORSE LEATHER
BY GUIDI(2023)

―好きなものが繋ぐ縁という感じで素敵ですね。でも、好きが高じて始まった〈nonnative〉の別注から〈GUIDI〉本体にも良いフィードバックがあったり、新しい可能性が開けているっていう関係もすごく健全ですよね。どちらかが寄り掛かることが無いというか。

だから、〈GUIDI〉に限らず僕が別注をさせてもらうときって、相手が「ん…?」となることが多いんです。「それ、大丈夫なんですかね…?」って。それまでにやっていないことが多いから。だけど、実際にサンプルが上がってくると、「あ、こうなるのか」って。そうじゃないと意味がない。簡単に完成図が予想できることばっかりやっていても、勉強にならないじゃないですか。

―〈nonnative〉の展示会で初めて〈VIBRAM〉ソールの〈GUIDI〉を見たときは驚きましたけど、今じゃまったく違和感が無いですもんね。

それをやるのが俺の仕事なんです。そこでやったことが何年か経って当たり前になったとき、「藤井さん、すごい早かったですよね」とかって言われたりするけど、ただズレてるだけなのかもしれない(笑)。

―(笑)。でも、そういうものの方が、完成したらきっとおもしろいでしょうしね。無理難題に付き合ってもらうには、やっぱり敬意が必要でしょうけど。

本当にそうだと思います。自分がちゃんと好きだから、うまくいくんだと思いますよ。

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藤井隆行(ふじい・たかゆき)
1976年生まれ、奈良県出身。美大を中退後、いくつかのショップの店頭に立った後、2001年〈nonnative〉にデザイナーとして参加。暮らしや生活にフォーカスし、自分らしく生きる人々に向けたワードローブを提案している。

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Interview & Text_Rui Konno

Vol.2 10月14日(土)発売

Vol.2 10月14日(土)発売

Vol.2 10月14日(土)発売

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