
COVERCHORD FEATURE
信楽焼・松庄
JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK 2025
日本各地の伝統的工芸品が東京に集う「JTCW 2025」が開催。
COVERCHORDでは、信楽焼〈松庄〉の土鍋を出展する。
2025年10月17日(金)– 30日(木)開催
東京都内のセレクトショップ30店舗にて、日本各地の伝統工芸を紹介する「JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK 2025(JTCW 2025)」が開催される。
今年、COVERCHORD Nakameguro がご紹介するのは、滋賀県甲賀市の伝統工芸「信楽焼(しがらきやき)」の〈松庄〉。
“日々の暮らしの丁寧な時間を応援する” をモットーに生み出された土鍋のシリーズを展示・販売する。
JTCW 2025会期中は、COVERCHORD Fukuoka、COVERCHORD Onlineでも同ラインナップを購入できる。
本特集では、実際に〈松庄〉の工房を訪ねた模様をリポートする。
土の質感や温もりを感じられる〈松庄〉の焼き物を紹介するとともに、彼らのものづくりの本質にも迫る。

信楽焼
松庄
信楽焼の歴史
「信楽焼」は、鎌倉時代中期に始まったとされ、日本でも最古級の歴史を誇る焼き物である。
古くから水がめ、茶壺、火鉢、植木鉢など、暮らしに寄り添う様々なうつわが作られてきた。
信楽は古代日本文化の中心である近畿地方の山あいに位置し、良質な陶土に恵まれている。主要道が交わる土地であったことから、聖武天皇によって「紫香楽宮(しがらきのみや)」が造営されている。この地は、奈良の大仏建立の際の候補地にもなっている。
室町時代から安土桃山にかけては、茶の湯文化の広がりとともに茶陶が発展し、江戸時代には茶壺や日用のうつわの生産が盛んになった。
明治期には釉薬の研究が進み、火鉢の一大産地として発展。昭和30年代には、日本国内の火鉢の約8割を生産するほどの隆盛を迎えている。
現在では、食器、タイル、庭園用品、そして、信楽の象徴である狸の置物など、多彩な焼き物を生み出している「信楽焼」。昭和50年(1975年)には国の伝統的工芸品に指定され、信楽は「陶器の町」として全国にその名を知られている。
「信楽焼」の最大の特徴は、粗く素朴な土の風合いと高い耐火性にある。
採掘された土は、ほとんど手を加えずに使用され、中には石や木くずが混ざることもある。だが、焼成されることでそれらが模様となり、ひとつひとつ異なる味わい深い表情を生む。
粘りのある「ざくざく」とした土質は大きな造形に向いており、狸の置物や陶板などの製作技術の発展にも寄与してきた。
「特漉粘土(とっこしづち)」と、「石入り土(いしいりづち)」の2種類を使い分ける。
〈松庄〉の土鍋はあえて石を含ませた、「石入り土」を採用している。
窯元・松庄を訪ねて
滋賀県の南東部に位置する甲賀市信楽町に足を踏み入れると、町のあちこちで「信楽焼」の狸たちが出迎えてくれる。
山に囲まれた盆地の風景と、陶土を掘るための小さな丘陵からなる景色は、町並みに自然な奥行きを与えている。
そんな陶器の町にある〈松庄〉の工房に足を踏み入れると、土と炎、そして人の営みが交差する、静かだけれど力強い空気を感じられる。

〈松庄〉オリジナルの白い狸
〈松庄〉の始まりは、1965年にまでさかのぼる。創業当初は、甕や火鉢、傘立てなど大型で存在感のあるうつわを中心に制作していた。
2000年代に新たな工場を建設すると、事業の方向性は少しずつ変わっていく。土鍋など日常に寄り添う実用的なうつわ生産への挑戦が始まった。
全国チェーンの飲食店の増加や、生活様式の変化によって従来の販路が縮小する中、試行錯誤を重ねながら消費者のニーズを見極めてきた。
大手企業との協業を通じて培った知見をもとに、自社での土鍋づくりをスタート。
創業以来、大型の焼き物作りで培った厚みのある造形技術は、そのまま土鍋にも活かされている。耐久性と使いやすさを両立させる工夫が息づき、今では〈松庄〉を象徴するシグニチャーアイテムとなっている。
轆轤を用いて手作業によって、石膏型に土を押し当てる。
用途に応じた様々な形状の内コテがある。
三代目の奥田泰央氏は、高校卒業後は外の世界を見てみたい希望を抱きつつも、家業を継ぐ決意を固める。
陶芸訓練校で基礎を学び、21歳で〈松庄〉の工場に入った。
先代から受け継いだ技術や、自らの経験を大切にしながら、現代の暮らしに寄り添う「信楽焼」を模索する泰央氏。
土鍋やうつわの設計では、生活の中でどう手に取り、どう使われるかを意識して工夫する。持ち手の形状や蓋の開閉のしやすさなど、細かい部分にまで気を配る姿勢こそが〈松庄〉の特長である。

窯元の三代目、奥田泰央氏
工場の2階では、熟練の職人たちが轆轤に向かう。
鍋ぶたを削ったり、取っ手を付けたり。
工程それぞれのプロフェッショナルが、分業を担う。
〈松庄〉の敷地内には、工場、社宅、事務所、旧工場、ギャラリーが点在している。
社員は15名ほどで、製造工程は完全分業制。それぞれが自分の工程に集中し、品質と効率を両立させている。
培ったノウハウを生かし設計から焼成までの全行程を、自社でコントロールできる体制を整えていることも〈松庄〉の強みである。

土練り、窯焼き、釉薬がけをする工場1階。

〈松庄〉の土鍋は、無駄を削ぎ落としたシンプルな造形が特徴だ。
しかしそれは、素っ気ない冷たさではなく、土本来の温かさを残す工夫でもある。釉薬の表情、自然な火色、土の手触りそれぞれが、使う人に穏やかな感覚をもたらす。
耐火性に優れ、厚みのある土鍋は丈夫で、毎日の食卓でも安心して使える。炊飯や煮込み料理などをより美味しく、調理時間をも心地よくしてくれる存在である。

大物を得意とする「信楽焼」ならではの、大きい窯。
〈松庄〉の工場では、3つの窯を有している。
現在、「信楽焼」を取り巻く環境は必ずしも安定していない。原料の一部である鉱物ペタライトは輸入に頼る部分もあり、世界情勢により供給や価格は変動する。
自然の素材を扱う難しさは常にある。それでも〈松庄〉は、伝統の中に革新を取り入れることを恐れない。
「ものづくりで大切にしているのことは、とにかく現代の使い手の目線に立つこと」と奥田氏は語る。
信楽焼の長い歴史の中で、土と真摯に向き合いながら、今の暮らしに寄り添ううつわをつくり続ける。
その姿勢こそが、〈松庄〉の「信楽焼」を唯一無二の存在にしている。
2025年10月17日(金)– 30日(木)開催

JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK 2025
信楽焼・松庄
at COVERCHORD Nakameguro
「創り手」「売り手」「使い手」の三者を繋ぐイベントとして今年も開催される、「JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK 2025」。
10月17日(金)から30日 (木)まで、COVERCHORD Nakameguroでは信楽焼〈松庄〉の土鍋を出展いたします。
会期中は、COVERCHORD Fukuoka、COVERCHORD Online でも同ラインナップを販売。
14日間限定のこの機会を、どうぞお見逃しなく。
会期: 2025年10月17日(金)– 30日(木)
11:00 - 19:00
会場: COVERCHORD Nakameguro
東京都目黒区青葉台1-23-14 1F
Instagram_@coverchord nakameguro
松庄
Website_kamamoto.co.jp
Instagram_@shouzaemongama
JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK
2025 Website_jtcw.jp
Instagram_@jtcw_official
土鍋 2人用 - 生成 ¥12,000
土鍋 4人用 - 生成 ¥19,000
米炊き土鍋 三合 - 飴色 ¥15,000

米炊き土鍋 三合 - 生成 ¥15,000

土鍋 4人用 - 飴色 ¥19,000



















































