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特集記事

COVERCHORD EXCULSIVE

nonnative × RUSH HOUR
〈RUSH HOUR〉創設者 ANTAL インタヴュー

両ブランドによるエクスクルーシヴアイテムがリリース。
レーベル創設者のAntalに〈RUSH HOUR〉の軌跡を聞いた。

レコードショップ、レーベル、ディストリビューション、パーティオーガナイズと、ダンスミュージックシーンの全てを網羅する〈RUSH HOUR〉は1997年、小さなレコードショップとしてアムステルダムに誕生した。

今なおレアなレコードを発掘し、次世代のアーティストをサポートすることで、ジャンル、テンポ、世代、そして国境を越えてシーンにとって重要な役割を担い続けている。

ミュージックフェスティバル“Rainbow Disco Club”にて、〈RUSH HOUR〉創設者Antal Heitlagerが〈nonnative〉のTシャツを手にし、感銘を受けたことに始まった両ブランドのコラボレーション。共に1990年代後半にスタートした点や、お互いのクリエイティヴへの称賛、そして音楽への愛など、共通する価値観は多く、パートナーシップは自然な形で実現した。

二度目となる本コラボレーションでは、WHITE、LT.BLUE、NAVY、GRAYの4色で展開されるTシャツをリリース。バックにはオリジナルのグラフィック、フロントには両ブランドのロゴをプリント。ここでしか手に入らない、エクスクルーシヴアイテムだ。

本記事では〈RUSH HOUR〉創設者Antalにインタヴューを敢行。屈指のDJとして、またレコードハンターとして世界最高の審美眼をもつAntalが語る、レーベル25年の軌跡とその姿勢。さらには日本との関係をも聞いた。

8月20日(土)にContact Tokyoにて開催される「RUSH HOUR NIGHT」も要チェックだ。

Antal
INTERVIEW

Antal at Rush Hour 2017
Photo by Andy Tan

─25年前、アムステルダムの床屋の地下で〈RUSH HOUR〉を誕生させました。現在そのお店はインディーズシーンにおいて、世界で最もリスペクトされるレコードショップ、レーベルそしてディストリビューターとなりました。ショップを始めた時、何を目指していましたか?そして、その目標は時の経過と共にどのように変化しましたか?

最初はただ単にレコードショップを立ち上げて、音楽に囲まれたいと考えていた。当時良い音楽を手に入れるのは今に比べて難しかったので、お店を構えることは優れた音楽を手に入れる一つの手段でもあった。立ち上げてからは、日々やるべき事を進めながら新しいアイディアを発展させた。

─〈RUSH HOUR〉はファンを虜にするAntalさんのDJセット要素全てを体現しています。つまり折衷派で多様でありながらも、全体として統一感があります。Antalさんにとって、そんな数々の音源を繋ぐ「糸」とは何でしょうか?

ソウルと、フィーリングだね。正直その曲がどの「ジャンル」に属するかというのは重要ではないと思っている。俺は、ある共通のフィーリングを持ち合わせた音楽を常に探しているので、だから繋がるし、例えばクラブとかで統一感のある一つのセッションとしてプレイできるんだと思う。

─それは前からいつもそうでしたか?〈RUSH HOUR〉自体、そしてDJとしての活動はどのように進化してきましたか?

単純なことで、生きていれば年々新しい知識が身につく。だからその事に気がついた時から、お店にも新しい気づきを全て取り入れるようにした。一つのスタイルを極める方が扱いやすいので、選んだ方針は難しいと感じる時もある。でも一つに限定するとすぐに廃れてしまうし、より保守的な内容になってしまう。

Antal DJing 1998 at Dance Tracks

─レコードレーベルが手がけるリイシューで、〈RUSH HOUR〉は長年忘れられていた秘宝を再発掘したり、ほとんど知られていなかったジャンルを広めたりしてきました。お店を立ち上げてから25年経った今、レコードハンティングから得られる純粋な喜びや、スリル感はAntalさんにとってどれほど重要ですか?

過去を知らずに先には進めないと思う。特定のサウンドへの熱意や偏愛はあるけれど、基本的には自分の直感に従って、鳥肌が立つ曲をハントする。会社としては、どちらもやめたくはないな。
新しい音楽にもっと時間をかけねばと思い、最近はここに注力している。「WorldwideFM」で月一放送しているラジオ番組では主に新曲を紹介したいので、この番組が俺を新曲探しへと導いてくれている。

─新曲もたくさんリリースされていますよね。新しい音楽を発見したい時とのアプローチはどのように異なりますか?

アプローチ自体はそんなに違わない。それよりも自分が何にフォーカスするかが重要だ。最近のハンティングツールを使うと、簡単に集中力が散漫になる。だからそこでフォーカスする力が大切になる。やることをやって、他には手を出さない。

Antal with Sadar Bahar 2015
Photo by Andy Tan

─近年、アムステルダムはダンスミュージックカルチャーおよびレコードカルチャの世界的な中心地となっています。街やコミュニティーのどういった点が、アムステルダムをミュージックシーンの先駆者として位置づけているのでしょうか?

アムステルダムには活気があり、ミュージックを前進させようとする人たちが集まる。シーンはそんなに広くないので、大体みんな顔見知りだし、対話があるし、お互いに影響しあったりしている。

─〈RUSH HOUR〉の立ち上げ当初からDJとしてや、レコードを求めて来日しているかと思います。日本との繋がりが生まれたきっかけについて教えてください。

最初は日本文化に対するある種のエキゾチックな憧れがきっかけだった。特に日本の映画・食文化に対して。その後、日本のストアやセレクターがすごくディープだと知り、日本から学ぶことが沢山あると感じた。日本のそういった点は目立ったし、俺らを引き付けた。

─最近、音楽フェスの「Rainbow Disco Club」のレコードレベールでコンピレーションアルバムを出しましたよね。このリリースの背景にあるコンセプトや、制作の過程について教えてください。

しばらく手探りをしてから、コンピレーションを通していくつかのことを表現したいという結論に至った。何が起きようとも、ものすごくパーソナルなセレクションにしたかった。世界各地の全ての年代の音楽を表現する統一感のあるストーリーを産みたかったのに加え、オランダのプロデューサーたちの注目を集めたかった。また、並行して「Rainbow Disco Club」をイメージしながら、いつ、どのようにその音楽をプレイしたいか考えていた。

Rush Hour Amsterdam (New Store)

─今年の8月、東京で再び「RUSH HOUR NIGHT」が開催されます。東京の名高いクラブ〈Contact〉にとって最後のイベントの一つとなります。どのようなパフォーマンスを用意していますか?

〈Contact〉でもう一度プレイできるのは光栄だ。今回は俺の他にSadar Bahar、Kikiorix、横田信一郎が出演する。2つ目のルームは友達が主宰者を務める。その隣で小さなレコードフェアがあって、個人が販売するパーソナルでいけてるグッズを購入できる。

─2019年と同様に、最後の〈TOKYO RUSH HOUR NIGHT〉に合わせて、今回も、メンズファッションブランドの〈nonnative〉とコラボを予定していますね。このコラボレーションの背景について教えてください。

親交のある〈nonnative〉のSamという人物が一緒に何かしょうと誘ってくれた。いいねと思ってやってみたら、なかなかいいものがそこから生まれた!

─これから数ヶ月、数年の間、〈RUSH HOUR〉ではどんなことを予定していますか?

新店舗の地下で作っているコミュニティー・ポップアップ・スペースを完成させたい。〈RUSH HOUR〉の25年目は、2023年1月から始まる世界ツアーでスタートする。個人的には音楽のセレクションスキルとサッカー術をさらに磨きたい。

Rush Hour Amsterdam (New Store)
Photo by Rogier Oostlander

Antal

世界中で絶大な人気と影響力を誇るレーベル/レコードショップ〈Rush Hour〉と、そのサブレーベル〈Kindred Spirits〉の創始者。次の世代にシーンの歴史を提示することを目的に、クラシックのリイシューから前衛的なテクノ/ハウスまで幅広いアーティストをピックアップ。その理念はDJスタイルにも表れており、DJ/音楽学において彼よりシリアスな人間は数える程しかいないだろう。 1996年にDJキャリアをスタートさせて以来、E&SやRaneのロータリーミキサー、Dope Realといった本格的な機材にこだわりながらヨーロッパ/オーストラリア/アジア/アメリカ各地でプレイし、計り知れない程の功績を残してきた。 レアなアフロファンクや忘れ去られたディスコ、そしてその狭間に存在するあらゆる音楽を、シカゴハウスやデトロイトハウスと同じように操り、広大かつ深さを兼ね備えたセットを構築する。

【 イベント情報 】

RUSH HOUR NIGHT

会場_Contact Tokyo
日程_2022年8月20日(土) OPEN 22:00

詳細はこちらより

nonnative × RUSH HOUR
RUSH HOUR TEE

nonnative × RUSH HOUR

RUSH HOUR TEE
Price_5,500 YEN
Color_WHITE, LT.BLUE, NAVY, GRAY

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