東屋の
腰掛け

リビングのソファ、書斎の椅子、寝室のベッド……。
皆さんはお家での寛ぎのひとときを、何処で過ごしますか？

かくいう私は殆どの時間を台所で過ごします。厳密に言うと換気扇の下のスツールチェアに座っています。ずっと。
世の愛煙家たちはベランダか、換気扇か。灰皿のある場所に定着するのが相場だと思うのですが、いかがでしょう？

私にとっての台所は、束の間の孤独と、沢山の愛を育む場所。
刻んだ食材を鍋に放り込んで蓋をする。コトコトと音を立てる鍋の横で、自分に立ち返り沈思黙考する時間が好きです。
「ふう」と腰掛け、煙草に火をつけ「パッキャアアアア！！！」
先日お気に入りの木製スツールチェアに亀裂が入りました。縦に。
諸行は無常。永遠不変なものはこの世に存在しません。
ましてや体重100kgの父から、体重100kgの息子が受け継いだスツールチェアです。天寿、全うしすぎー。

さて、台所での居場所を失った私。棒立ち。
「ただちに新たな相棒を」と血眼になっていた矢先に出逢いました。
東濃檜の無垢材を使用し、美しく仕上げられた〈東屋〉の「腰掛け」です。
実用的であり、どんな居住空間にも寄り添う清らかな佇まいが、もう完璧なプロダクト。
これからの愛おしい台所 (換気扇下)時間を、共に歩んでゆく所存です。

余談ですが、この「腰掛け」が地味に活躍するのが、ホームパーティでお家に客人を招いた時。サブチェアとしてその存在感を遺憾無く発揮します。
我が家では、1軍の椅子は客人へ。「腰掛け」は台所と食卓を忙しなく往来する家主の椅子と化します。
調理の具合を横目に、皆が食卓で談笑する様を眺める。もてなし好きな私の、至福な時間を共にする「特等席」でもあるのです。

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