2023-8-22
nonnativeの
スタンドカラーシャツ
○○フェチってよくありますけど、それってヒトの身体と同じく服にもあると思ってて、それで言うと僕はもっぱら "パッカリング" フェチ。縫製部分に現れるウネウネのことです。着用と洗いを日々繰り返していくほど増す風合いに、絶妙に力の抜けた雰囲気、大人の余裕みたいなものを感じて好きなんです。
このシャツも前身に袖にとパッカリング山盛りで、しかも本来寸法変化が出にくい生地を裏地のパイピングをコットンテープにすることにより縮ませるっていう手の込みよう。着込んでいったその先に手に入る風格を、初めから標準装備ってわけです。もちろん雰囲気がいいってだけじゃなくて、これがあるおかげで袖が前振りっぽくなってたり立体感のある造りに。一般的にのっぺりとしがちな化繊のシャツジャケットですが、一度袖を通していただければ違いがわかるはずです。
そもそもパッカリングって、昔のワークウェアがいい例で、大量生産を優先して巻縫いのミシンでガーッと、要はテキトーに縫製したがゆえに出来る歪みだそうです。それを敢えてやる、しかも上質なタッサー生地でってところに浪漫みたいなものを感じるのはきっと僕だけではないはず。普通にやるより難しいことをサラッとやる。職人さんのこだわりも垣間見れる気がして袖を通すたびに男心をくすぐるシャツです。
Selector: Nishio