COVERCHORD LIFESTYLE
夏の道具市
夏。住まいに涼をいざなう手仕事の道具。
先人たちの知恵が詰まった夏の道具をご紹介。
夏本番。そして、茹だるような酷暑……。
外を歩くとすぐに汗だく。気が遠くなるようなこの季節。
せめて、住まいの空間だけは、気分良く涼しげに彩りたい。
キンキンに冷やした飲み物や甘味を入れて楽しみたいガラス作品。暑さを凌ぐうちわや手ぬぐい。風情あふれる風鈴や蚊遣。香りも涼し気ない草工芸品。などなど。
COVERCHORD「暮らし」のセレクションから、まだまだ続く暑い日々に「涼」を呼び込む、手仕事の道具たちをご紹介しよう。
涼感を呼ぶ美しい音色
「風鈴」
耳で楽しむ涼の音色。〈WASHIZUKA GLASS STUDIO〉の「WIND BELL」は炭色のスモークガラスとナラの木、和紙のコントラストが美しい。
ガラスと木のふれ合いが織りなす「カラン、コロン」という音色は、遠くで聞こえるかのように優しく自然で心地がいい。
WASHIZUKA GLASS STUDIO
〈MT. WASHINGTON POTTERY〉のアーティストBeth Katzはロサンゼルス西部で生まれ育った。かの地の美しい自然が育んだ、ナチュラリズムを宿した「PEACEBELL」。
珍しいセラミックの風鈴は、特有の柔らかな音色が響く。ハンドメイドならではの歪みや不均一さ、繊細な濃淡を見せる色付けからは、1点1点に込められた「生命力」が感じられる。
MT. WASHINGTON POTTERY]
Left_Center_PEACE BELL ¥16,000
Right_PEACE BELL ¥16,000
MT. WASHINGTON POTTERY
再生ガラスを原材料に、手吹きで生み出される〈河上智美〉のガラス作品。
ホッとするような懐かしさが漂う「レトロ」シリーズは、ムクッと隆起した太めのリムが可愛らしい。手にしっくり馴染み、手吹きガラスの魅力を存分に味わえる。
レトロモール鉢・丸 大 ¥3,700
河上智美
沖縄県読谷村に拠点を構えるガラス作家〈おおやぶみよ〉からは、夕涼みの晩酌に使いたい「ぐい呑み」を。
澄みきらず朧に霞む手吹きのガラスは、一目で〈おおやぶみよ〉の作品と分かる個性が魅力だ。
おおやぶみよ
ぐい呑み(クリア) ¥4,300
おおやぶみよ
伝統の染色が涼しげな色合いを生む
「手ぬぐい」
乾きやすくてかさばらない日々日常の味方、手ぬぐい。
長野県富士見町を拠点に活動する作家・佐渡勝行氏による工房〈仕草〉。草木由来の染料を使い、“注染”という伝統的な型染め技法で染め上げる。その色合いや意匠からは、繊細に移ろう日本の四季を感じられる。
仕草
夏の情緒が香りたつ
「蚊遣り」
蚊取り線香の香りは、日本の夏を想い起させる。
実用と美を備え、インテリアとしても美しい〈鈴木盛久工房〉の「蚊遣り」は、岩手県は盛岡と奥州水沢の伝統工芸南部鉄器。
鐡(くろがね)の質感と、ミニマルなデザインは伝統工芸品らしからぬモダンな佇まい。
床置きでも、吊るしても使える優れもの。
蚊遣り ¥16,000
鈴木盛久工房
鉄・ステンレス・銅・真鍮など、金属素材の魅力を最大限に活かした、使いやすく生活に溶け込む道具を作る〈千葉工作所〉。
一つひとつ手作業によって鎚目をつけた真鍮板の「蚊遣り」は、無駄を削ぎ落とし洗練したデザインが潔い。
千葉工作所
6月21日 (金)発売
6月21日 (金)発売
道具としても飾りとしても
「うちわ」
涼を呼ぶ実用の道具でありながら、居住空間をさりげなく彩るインテリアとしても美しい〈栗川商店〉のうちわ。
“来民渋うちわ”は、しなりの良い竹製の骨組みに、柿渋を塗って丈夫にした和紙を用いた熊本県の伝統工芸品。
小ぶりなサイズ感、丸みのあるフォルム、そして色彩と柄がなんとも愛くるしい。
栗川商店
郷愁おぼえる香りとモダンな佇まい
「い草」
岡山県倉敷にて“い草“を使ったかごを制作している工房〈須浪亨商店〉。
郷愁をくすぐる香りは畳に用いられる素材の為か。使い込んでいくうちに狐色に変色し、質感は艶が出てしなやかになるなど経年変化を楽しめるのも魅力。
“七宝結び”という編み方で作られた「びんかご」はお酒を入れたり、キッチンでお野菜を入れたりと、用途は多彩。