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特集記事

COVERCHORD CULTURE

クリエイターにきく、
外あそびのすゝめ
AUTUMN 2022

外あそびの達人でもあるクリエイターたちに、おすすめのアウトドア“スポット”、“ギア”、“食”を聞いた。
やっときた気持ち良い季節。秋のおでかけのご参考に。

おすすめのアウトドアスポット、自慢のアウトドアギア、そして、とっておきのアウトドア飯。気になる3つの「すゝめ」を、外遊びの達人に聞くご好評企画を今年もお届け。

外で遊ぶのにぴったりな気持ち良い秋の季節。アウトドア通にも、これから挑戦したい初心者にも、真似したくなるアイデアの数々。

山に、川に、海に、はたまた日本の外に、自然のフィールドは大きく広がり遊び放題。どこに行こう?何して遊ぼう?何を食べよう?さあ、アウトドアを大いに楽しもう!

HIKERTIME ディレクター
JK

アウトドアスポットのすゝめ
「北海道 大雪山 裏旭岳キャンプ場」

旭岳ロープウェイを降り、5時間ほど歩いて裏旭岳キャンプ場にて一晩過ごす。
翌日、少し歩いた先にある荒井岳ー北海岳を繋ぐ稜線から見れる御鉢平の景色は大地のうねりを見ているようなインパクトがあり、壮観でした。

アウトドアギアのすゝめ
〈JINDAIJI MOUNTAIN WORKS〉の
「PB Tarp 5×8 FactoryTuned
"for oldskool UL hiker"」

「PB Tarp」はこれまでのテント泊縦走の中で一番刺激的でした。
ドーム型のテントからフロアレスシェルターを経て、少し物足らなさを感じていた際に「PB Tarp」と出逢いました。
初使用のフィールドは北海道大雪山5泊6日の長期縦走で、雨にも降られましたが布一枚とシンプルな道具だからこそ工夫するおもしろさがあります。
U.L.ハイキングを実践していくなかで「自然との一体感」という言葉を聞く機会がありますが、この旅はソレをとても感じる時間でした。

アウトドア料理のすゝめ
「HIKER FOOD」

僕の山行スタイルは“ロングトレイル”といって、1日に30キロ以上歩くことがあります。そうなると、どうしてもドライフードや栄養補給が簡単なジェリー系、カロリー重視の食事となります。
歩く時間が長いため、少しでも荷物を軽くするためには水分を多く含む肉や生野菜などを持ち込むことはできません。そのため乾燥野菜や乾麺、アルファ化米などを好んで選びます。
どこでも手に入りやすく、すぐに美味しいお勧めのハイカーフードはマクドナルドの「ダブルチーズバーガー」です。1つで457kcalとなんとも優秀です。

JK | 中村ジュンキ(なかむら・じゅんき)
HIKERTIME ディレクター

鎌倉にあるU.L.山道具メイカーの「山と道」にて働く傍ら、YouTubeチャンネル「HIKERTIME」にてU.L.ハイキングのHOW TOを発信。
2018年、メキシコからカナダまでアメリカを縦断する「パシフィッククレストトレイル」4250kmを踏破。歩いたことで「足るを知る」という考え方に気づき、U.L.(ウルトラライト)の重要性を知る。
2023年に「コンチネンタル・ディバイド・トレイル」というアメリカの丁度真ん中に位置する5000キロのロングトレイルを歩く予定。

YouTube_HIKER TIME 
Instagram_@junki.hiker  

F/CE. デザイナー
山根敏史

アウトドアスポットのすゝめ
「西湖キャンプヴィレッジノーム」

湖畔の目の前のサイト。カヤックなどを持ち込んで楽しめる。モーターホームも問題なく入れる。

アウトドアギアのすゝめ
①「武井バーナー」

持ち運びもしやすくかなり暖かく性能が良いところ。自分はほとんど灯油燃料なので、重宝しています。今はかなり高いものになってしまったのですが、昔はお手頃で手に入りやすかった。

アウトドアギアのすゝめ
②〈NORDISK〉の
「スリムへイム 5」

NORDISKから新しく今年リリースされたテント。5人用で居住性も高く、天井も高いので快適。自分はフロアは貼らずに、コットなど入れて設営。通気性も高いので中でストーブを使用したり、調理したりしても全く問題ないです。

アウトドア料理のすゝめ
Brian Bojsen氏の
「デンマークアウトドア料理」

デンマークの Silkeborgでキャンプした時に、デンマークのアウトドア料理人の Brian Bojsen氏が来て料理をしてくれた。
大人数の料理を作っていたのですが、とても繊細で感動した。盛り付けも道具も味も全て最高でした。体験できてよかった。

山根敏史(やまね・さとし)
F/CE. デザイナー
NORDISK CAMP SUPPLY STORE オーナー

某アパレルブランドでデザイナーとしてキャリアを積み、その後、米国〈crocs〉の日本支社創立に携わる。
2010年アパレルを中心としたプロダクトの企画・販売をするOPEN YOUR EYES株式会社を設立。同年ブランド〈F/CE.®〉創設。
また近年は様々なグローバルブランドに、外部のディレクター・デザイナーとしても携わる。
音楽活動としては「toe」でベースを担当。

Website_fce.tools
Instagram_@satoshiyamane

フリーランスプロデューサー
小口大介

アウトドアスポットのすゝめ
「北海道 阿寒川」

僕が愛してやまない外遊びはフライフィッシングです。
そのフィールドとして最も多く通っているのが北海道の東(いわゆる道東というエリア)の阿寒・摩周国立公園を流れる阿寒川です。
手付かずの原生林をゆっくり釣り歩いていると、多くの野生動物にも遭遇することが多く、まるでおとぎ話の世界にいるようです。

アウトドアギアのすゝめ
〈R・L WINSTON〉の
「フライロッド」

アメリカ・モンタナ州のフライロッドメーカー、〈R・L WINSTON〉のフライロッド。
アメリカの竿は比較的硬めのロッドが多い中、このWINSTONの竿はしっかり腰がありながらしなやかさもあり、魚をかけた時のギリギリのやり取りが堪らない竿。
美しいグリーンのブランクも気に入っています。

アウトドア料理のすゝめ
「ラムチョップ」

僕は野外で食する料理は特に凝ったことはしません。
良質な食材を炭で焼くだけでとっても美味しいですから。
そこに美味しいワインがあればそれ以外は何もいりません。
新鮮なラムチョップなんて最高ですね。

小口大介(おぐち・だいすけ)
フリーランスプロデューサー

大手スポーツメーカーにて24年間、アウトドアブランドのリテールやマーケティングを担当し2016年に独立。
東京、長野、北海道を拠点に、自然に関わるプロジェクトを中心に活動。

Instagram_@daisukeoguchi

ON GO.inc: CEO
KC Watanabe

アウトドアスポットのすゝめ
「北海道 大雪山国立公園」

自分にとっては自然の風景の中を車で走ることが最大の喜びです。
今は、自宅と、山梨、北海道に車を置いていて、日々ネイチャートリップを楽しんでいます。
大雪山国立公園は、日本最大の国立公園で、山、川、湖、森などの日本とは思えない雄大な景色に触れながら旅をすることができる最高のスポットです。

アウトドアギアのすゝめ
「モバイルストラップ」

モバイルストラップとキューベンファイバーとマルチファンクションツール。
なるべくカバンを持たず、ポケットにも何も入れたくないので、外に行くときには携帯と鍵とサイフをぶら下げたストラップを掛けています。全てが一緒にぶら下がってるのでこれひとつ持てば大丈夫。 
荷物が多くなるときにはキューベンのスタッフサックも引っ掛けてショルダーにもできます。

アウトドア料理のすゝめ
「北海道、地産地消鍋」

正直、料理は全くできないので外でも全てお任せで、ただ食べる人ですが……自分がプロデューサーをやっている北海道の「MOVING INN」という、クルマを使った自然との新しい楽しみ方を提供するサービスで出している、全て地元の食材を使っている鍋メニューは秀逸です。
十勝は海もあり人よりも豚や馬が多く、食料自給率1200%を誇る食材の宝庫です。
出掛けた場所では出かけた場所で採れるものを使った料理が一番ですね。

KC Watanabe(わたなべ・けいし)
ON GO.inc: CEO

自然共生、地方創生、新しい移動をテーマに活動。
都会的な感性と創造的な野性を繋いでいきながら、様々な地方へと移動を繰り返し、プロジェクトのHUBとなり、ひとをつないでいる。
また、キャンピングカーユーザーだった経験から、北海道で車を使った自然の新しい楽しみ方を提供する事業“MOVING INN”のプロデューサーを務める。
さらに多数のキャンピングカーやMUV(Multi Utility Vehicle)の製作企画を行う。

Instagram_@kcwtnb
Instagram_@ongo.gram

イラストレーター&スルーハイカー
HIKER TRASHディレクター
Ryosuke Kawato

アウトドアスポットのすゝめ
「グランドキャニオン国立公園テントサイト」

2022年の5月にアリゾナトレイルのセクションの一部としてグランドキャニオンを越えた。
その時に少し寄り道をしてグランドキャニオンのトレイルを探索し、泊まったキャンプサイトが絶景かつ孤独で最高だった。
主要なルートは人気があるので予約が難しいが、それ以外は道のりが険しく水場もない為、どこも簡単に予約が取れる。
グランドキャニオンは谷を降るたびに急激に標高が変化し、それにつれて景色も次々と移りゆく。その先にあるキャンプサイトはただの乾いた平地であるが、尊厳な佇まいの褐色な岩壁にを囲まれ、夜になると全身を突き刺さるように煌めく星々が空一面を埋める。それだけで、全てが報われた。

National Park Service ウェブサイト

アウトドアギアのすゝめ
〈JINDAIJI MOUNTAIN WORKS〉の
「Hillbilly Pot 550」

僕が海外のロングトレイルに持って行くだけでなく、キャンプ、車中泊共に愛用しているアルミクッカー。
普段はお湯を沸かすだけなのだが、時に現地で調達した魚などを調理したい。それにはチタンではなく焦げ付きにくいアルミが最適。
そして、バーナーとOD缶がちょうど収納できるサイズも気に入っている。
でも、実はもう一つ理由があって、この商品を製作している〈JMW〉の尾崎くんがとても良いヤツだからである。彼はよく笑いよく泣く素敵な最高なヤツ。
彼がウルトラライトハイキングという文化をリスペクトし産み出したミニマムな商品というのが心くすぐられる。僕にとってそういう要素も大切だ。

アウトドア料理のすゝめ
「イワナの焼枯らし」

最近は福井県の大野市で、フライフィッシングでイワナを釣ることが多いが、その時に釣り仲間が作ってくれたイワナの焼枯らしが美味しかった。
料理はいたってシンプルでイワナの内臓とエラを取り出し、塩で揉むか熱湯をかけてヌメりを取る。太めの竹串で刺したのちに、弱い火で4時間ほどじっくりと燻すように焼くだけ。そうすると水分が抜け旨みを凝縮した焼きイワナが完成し、頭も骨もパリパリと食べることができる。非常に香ばしく、身は甘い。日本酒との相性は抜群。
いつか山奥の渓流のほとりで焚き火をし、その日の釣りを振りかえりながらイワナの焼枯らしを作りたいものだが、食いしん坊の僕が4時間も食べるのを我慢できるのか、その一点のみが不安でならない。

Ryosuke Kawato
イラストレーター&スルーハイカー
HIKER TRASHディレクター

アメリカのトレイルを歩きながらスケッチを続けることから、トレイル上での呼び名はそのままの“SKETCH”。
アメリカにある3大ロングトレイルを全て踏破。
現在はイラストレーターとして活動し、アメリカのハイキングカルチャーを体現したアウトドアブランド〈HIKER TRASH〉のディレクションをつとめる。
バイクパッキング、フライフィッシング、スケートボードなど、とにかく新しい刺激を求めてあらゆるアクティビティに手を出している。

Website_hikertrashjp.com
Instagram_@ryosuke_iwashi

Illustration_Ryosuke Kawato

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