カバーコードの逸品
長く愛せる一生ものの「逸品」をご紹介。
nonnative
DWELLER 5P JEANS
初めて買った〈nonnative〉はコットンポプリン生地でクライミングタイプのパンツでした。細かなディテールに感じる機能性、どんどん風合いが増すマテリアル。なにより「日本人が似合うパンツ」だと、履いたシルエットを眺めながら強く共感しました。コレクション毎にパンツだけでこれだけ多くのフェイスを揃えるブランドって、国内外みても稀有ではないでしょうか。
そんな〈nonnative〉のパンツラインナップには、ベーシックな5ポケットの所謂「ジーパン」がずっと並べられています。ベーシックなアイテム群である「DWELLER」の名を冠したこの「DWELLER 5P JEANS」がそれ。コレクションや時代が変わってもこのジーパンは必ずラインナップされて、ブランドとしてのフィロソフィを常に感じさせてくれる存在となっています。
時代に流れる空気感を取り込みながらも、変わることのない ”軸” を有する42回目の〈nonnative〉のジーパン。3シルエットをじっくり比較してみたいと思います。
まずはスリムストレートシルエットの「01」。
呼称と細部のパターンは細かくアップデートされつつ、最も長く提案されてきた〈nonnative〉の “標準” となるシルエット。レッグラインをトレースしながらもスキニーと明確に異なるのは、身体ではなく「パンツがシルエットを描いている」点にあると思います。
ノンストレッチデニムでも“屈む” “座る”がストレスなくこなせる完璧なパターン。指を入れる角度まで拘ったウォッチポケットやセルヴィッジデニムのプレミアム感など、魅力を挙げればきりがありません。
「02」はわかりやすく言えば “テーパード” ですが、世間で “テーパード” と呼ばれるジーンズのシルエットとはちょっと様子が違います。
例えば Levi’sの505なんかだと、ふくらはぎから裾に向かって急に絞ってくる印象なんですが、この「02」は膝位置でキュッと絞ってそのまま裾に向かって素直に落ちてく感じ。あの頃感漂う “レトロなテーパード” にならない、完全なる〈nonnative〉オリジナルのテーパードシルエットです。リベットを排したミニマリズムのなか、膝のダーツステッチがアクセントを与えます。
第三のシルエット「03」は、〈nonnative〉流の “クラシックストレート”。既存の “ストレート” や “ワイド” とは異なる絶妙なワタリ幅にセッティングされていて、一過性のムーブメントで消費されるシルエットではない、マイペースに付き合えるリラックスフィットに仕立てられています。
13.5ozのセルヴィッジデニムをあつらえ、3シルエットで最もロールアップが似合うシルエットだと思っています。オーセンティックなアメリカンスタイルでも綺麗なコートや革靴でもなんでも来いなヤツ。
三者三様のシルエットですが全てブランドのフィロソフィを体現し、他にはないオリジナルな立ち位置を確立しています。多くのパンツラインナップを有する〈nonnative〉ですが、どれから手を出せば良いか迷ったらまずは「ジーパン」を試してみてください。多くの発見とともに、共感と満足を提供してくれるはずです。