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特集記事

COVERCHORD LIFESTYLE

暮らしに迎えたい、手づくりの工芸
CRAFTS SELECTION Vol.1

日々の暮らしに"工芸"を。

あらゆるものの生産が効率化され、量産品が溢れ、消費されるこの時代だからこそ、その対極にある"手づくりの工芸"をお薦めしたい。

COVERCHORDがセレクトする"工芸"は、どんな土地で、どんな人の手で、どんな想いを持って生み出されたかを、シリーズでお伝えする本特集。

第一弾では6名の生活陶器の作り手たちをご紹介します。

生活用具としての実用品でありながら、材料、技巧、意匠による美しさを備えたもの。作り手の想いとともに、静かに暮らしに寄り添うもの。

現代の生活様式に則って、より便利に、より速く、より多く、より安く。あらゆるものの生産が効率化され、量産品が溢れ、消費されるこの時代だからこそ、その対極にある"手づくりの工芸"をお薦めしたい。

手間ひまを惜しまず、人の手によって作られたものには物語が宿ります。一つひとつ生み出されるが故のばらつきは、この世に二つとないものを持つ喜びにも繋がります。

COVERCHORDが各地を巡る中で魅せられた"工芸"の数々。どんな土地で、どんな人の手で、どんな想いを持って作られたかをシリーズでお届けする本特集。第一弾では6名の生活陶器の作り手たちをご紹介します。

COVERCHORDがきっかけとなって、あなたの暮らしと、素敵な"工芸"との出逢いがありますように。





瀧本 徳郎

"使う人の手に馴染み、色や質感はなんだか嬉しくなるようなものにしたい"豊かな自然に囲まれた宮崎県都農町で生活陶器を作り続ける「白水工房」の〈瀧本 徳郎〉氏。

麦の穂柄を施された粉引のカップや、焼き締めの急須などなど。

瀧本氏が作陶する土物特有の温もりを持った作品の中でも、とりわけ目を引くのは、赤や黒の鉄化粧を施した陶器の、色のグラデーション。

心地よい渋味のある椀や皿は、手に取れば軽く、暮らしに優しく馴染む。食卓に戸棚に、重厚かつ繊細なアクセントを。

瀧本 徳郎(たきもと・とくろう)

1974年 宮崎県生まれ。
1995年 佐賀県立有田窯業大学校卒業。
2000年 KOBATAKE工房彫刻基礎科終了。
2000-2002年 青年海外協力隊に参加し、エルサルヴァドル国立芸術センター陶磁器科講師として活動する。
2003-2006年 メキシコシティで陶器の制作及び展覧会等をする。
2006-2011年 舞台美術、テーマパーク等の美術制作に従事する。
2011年 宮崎県都農町に白水工房を開く。

ハラダマホ

ハッとするような幾何学的な模様と、色鮮やかな配色が目を引く〈ハラダマホ〉の器。白土に顔料を練り込んだ粘土を数種類組み合わせて柄を作る"練り上げ"と呼ばれる技法は、数ある作陶技法の中でも根気を要すると言われる。

彼女が表現する、複雑かつ独特な幾何学模様からは、高度な技術と手間が伺える。熊本県で、一つひとつ丁寧に生み出される作品たち。

まるで北欧クラフトのようなモダンさと、日本の伝統的紋様を兼ね備えたような、唯一無二な佇まい。

ハラダマホ

1977年 熊本生まれ。
1999年 佐賀県立有田窯業大学校卒業。會田雄亮研究所入社。
2001年 熊本にて設窯。

宮田 竜司

栃木県益子町を拠点に活動する作家〈宮田 竜司〉。益子の陶土をベースに磁器土を混ぜたものを用い、釉薬には益子の伝統釉を使用。

まるで食卓に花を活けたような、儚くも凛とした佇まいのある宮田氏の陶器。

盛って楽しく、モノとして美しく。飾りすぎない日常に、可憐さを添えてくれる。

宮田 竜司(みやた・りゅうじ)

1976年 東京生まれ。
1999年 高内秀剛に師事。
2006年 益子町にて独立。築窯。

工藤真人工房

茨城県阿字ヶ浦に拠点を置く〈工藤真人工房〉。

調度品収集家の父と古美術商の母の元に生まれた窯主、工藤真人氏は幼少より北欧クラフトや古美術作品に触れて育った。

20代半ばに世界を旅する中で多くの実りを得、日々の様々なシーンにすんなりと馴染む、生活の器を作り続ける。

特に、深いコバルトブルーの力強い器は工藤氏の真骨頂。モノとして美しく、食材の色彩を鮮やかに引き立てる。

工藤 真人(くどう・まひと)

1958年 東京都港区赤坂に生まれ。 新宿歌舞伎町で育つ。
1980年 早稲田大学中退。
1980年 愛知県常滑で陶芸の修業。
1984年 スペイン、イラン、インドで工芸の研究。
1987年 茨城県阿字ヶ浦町にて作陶開始。

坂下 花子

栃木県益子町を拠点に活動する作家〈坂下 花子〉の陶器は、類稀なるカラーリングセンスからなる様々な美しい模様が特長。

異なる色の粘土を何層にも練り合わせて模様を作る"練り上げ"技法で作られる器たちはそのネーミングがとても可愛い。

「うずらのぐるぐる」などチャーミングな名付けに表情はほころび、ついつい「ウチの子にします!」となってしまう。

日常の安らぎの時間を共に過ごしたい、淡く優しい暮らしの道具。

坂下 花子(さかした・はなこ)

1976年 東京都日野市生まれ。
1998年 武蔵野美術大学卒業。
2003年 愛知県立窯業高等技術専門校修了。益子焼窯元勤務。
2011年 練り上げの作品制作を始める。

山下 太

熊本県阿蘇市にて作陶をしている作家〈山下 太〉。

阿蘇の山に、自ら土掘りに行くところから始まる山下氏の器作り。

綺麗に精製されたものとは違う表情豊かな土と、溶岩や火山灰・草木など、身近に存在する雄大な阿蘇の自然由来の素材を使うことで、唯一無二の器を生み出している。

力強い曲線。愛着が湧くヒビ模様。存在感のあるその佇まいは、大人たちの所有欲をくすぐってやまない魅力だ。

山下 太(やました・ふとし)

1973年 福岡生まれ。
1995-1996年 アジア、ヨーロッパ、日本を放浪。
1997-2001年 小石原焼で修行。
2002-2022年 阿蘇坊窯を始動、今に至る。

COVERCHORD特集「暮らしに迎えたい、手づくりの工芸」では、今後も工芸作家や工房をご紹介してゆきます。 不定期更新ですが、次回もお楽しみに。

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